米Intelはアイルランドのキルデア州レイクスリップの製造工場「Fab 24」建設を再開すると米国時間4月25日,発表した。20億ドルを投じるこの工場では,300mmウエーハを使った高性能半導体部品を製造する。

 Fab 24の建設は2000年6月に開始したが,2001年の世界的な経済低迷のあいだ,一時中断していたもの。

 Fab 24は16万平方フィートのクリーンルームを備え,総敷地面積は100万平方フィートを若干上まわる。稼動開始は2004年前半を予定する。Fab 24の建設が完了すれば,Intel社が運用する300mmウエーハ製造工場は4カ所となる。

 Fab 24では,90nm(ナノメートル)の製造技術を用いる。同社は90nm製造技術を用いてSRAMメモリ・セルを開発したことを2002年3月に発表している。

 ちなみにIntel社によれば,同社のアイルランドにおける製造工場関連の投資額は,2004年末時点でおよそ50億ドルを上まわるという。

 300mmウエーハは,現在最も利用されている200mmウエーハと比べてコンピュータ・チップの生産性を大幅に高め,コストを抑えることができる。300mmウエーハで半導体製造に利用できる有効表面積は200mmウエーハの225%で,ウエーハ1枚あたりに製造されるチップは240%に増加する。チップ1個を製造するのに必要な電力と水の使用量は200mmウエーハのそれに比べて約40%削減するという。

◎関連記事
インテルがアイルランド工場の操業を1年延期,「いきなり300mmウエーハで」
米インテル,1平方ミクロンの「世界最小」SRAMメモリ・セルを開発
米インテルが2億5000万ドルで研究施設「RP1」を開設,300mmウエーハを研究
米インテル,「0.13μm技術と300mmウエーハ使うチップの製造に成功」と発表
米インテル,動作周波数2.4GHzの「Pentium 4」を発表

[発表資料へ]