米RealNetworksが米国時間10月22日に,2002年第3四半期の決算を発表した。売上高は4540万ドルで前年同期に比べ横這い,前期に比べ4%増となった。

 純損失は3540万ドル(1株当たり純損失は22セント)。前年同期の純損失は1940万ドルだったので赤字額は拡大した。当期の純損失にはリストラ費用,事務所施設および株式投資の減価償却費など3080万ドルの一時的費用が含まれている。EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益/損失)の損失額は2770万ドル。上記の一時的費用を含まなかった場合のEBITDA損失額は250万ドルとなる。

 売上高を事業部門別にみると,消費者部門が2820万ドルとなり,前期の2500万ドルから増収となった。このうち消費者向け会員サービスの売上高は2140万ドルで前期に比べ20%増えている。システム部門の売上高は1550万ドルで前期の1710万ドルから落ち込んだ。広告収入は170万ドルで前期比5%増となった。なお当期の売上高に占める広告収入の割合は4%である。

 消費者部門は好調で,第3四半期中,同社の有料会員数は85万人にまで増えている。前年同期の40万人から113%,前期の75万人からは13%増えたことになる。なおメディア・プレーヤ製品の登録ユーザー数は3億人を超えたという。

 同社は,2002年第4四半期の業績見通しについても明らかにした。それによると,売上高は第3四半期とほぼ同じ,あるいは若干減収となる見込み。「消費者部門の売上が伸びるもののシステム部門の売上が落ち込むため」(同社)と説明する。

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