米EMCが米国時間10月17日に,2002年第3四半期の決算を発表した。同期の売上高は,前年同期の12億1000万ドルに対して12億6000万ドルで4%増加したが,前期からは9%の減収となった。前年同期の純損失9億4500万ドル(1株あたりの損失43セント)から純利益2126万ドル(1株あたりの利益1セント)となった。

 一時的な費用を除いた純損失は5100万ドル(希薄化後の1株当たり損失は2セント)で,前期の1100万ドル(同1セント)から赤字額が拡大した。一時的な費用を含めた連結決算の純損失は2100万ドル(同1セント)となる。

 「同期終盤でIT支出の状況がまずまず悪化した。しかし,EMCが市場のリーダーであることに変わりはなく,ネットワーク・ストレージ戦略に注力する。」(EMC社社長兼CEOのJoe Tucci氏)

 同社は,ハイエンドのストレージ市場を支配してきたが,IT支出の低下による強く影響を受けている。同期の決算報告に先立ち,前週同社と米Dell Computer社は,ローエンド市場をターゲットとしたミッドレンジの新しいストレージ製品ラインを発表している。

 同社はこれまで継続的にコスト削減を図っており,当期における現金および資本が1億ドル以上増加したという。しかし,企業によるIT支出の低迷が続いていることに影響を受け,人員削減を含むコスト構造見直し策をさらに続けるとしている。10月に同社は,世界の従業員人口の7%に該当する1350名の従業員の解雇を発表しているが,同年末までに,2001年初期のピーク時に2万4500人在籍した従業員をおよそ30%削減して1万7000万人に絞るという。

 また,EMC社は,2001年5月の5000万株に続き,2億5000万株の株式買戻しを同社役員会が承認したことを明らかにしている。

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