米RealNetworksが米国時間7月22日に,デジタル・メディア製品作成と配信のためのプラットフォーム「Helix Platform」とコミュニティ「Helix Community」を発表した。

 Helix Platformはデジタル・メディア・ソフトウエア技術と1000以上のAPIを組み込んでいる。中枢となる「Helix DNA」エンジンには数百万行のソース・コードが含まれる。

 Helix Communityを利用することにより,開発者や技術企業がHelix Platformのソース・コードにアクセスし,Helix Platformの強化やHelix対応エンコーダ,サーバー,クライアント製品の作成に利用することができる。ライブやオンデマンドのストリーミング,ローカルやリモートでのデジタル・メディア再生のほか,新たなメディア・フォーマットやデータ・タイプの追加が可能になる。

 Helix Communityでは,二つのライセンス体系「RealNetworks Community Source License(RCSL)」と「RealNetworks Public Source License(RPSL)」を用意する。

 Helix DNAのすべてのソース・コードをRCSLのもとで提供する。1000以上のHelix APIのインプリメンテーション,Helix対応エンコーダ,サーバー,クライアント向けソース・コードが含まれる。RCSLのもとで作成した製品は,Helixインタフェースに対応する。一方RPSLのもとで作成した製品は,オープン・ソースとして公開する。RPSLで利用可能にする最初のHelix DNAコンポーネントは「Helix DNA Client」で,90日以内にHelix Communityにリリースする。

 RealNetworks社によると,米BSquare,米CollabNet,米Cisco Systems,日立製作所,米Hewlett-Packard,米Intel,米Lindows,米nCUBE,NEC,米Network Appliance,フィンランドのNokia,米Openwave,ノルウェーのOpera SoftWare,米Oracle,米Palm傘下のPalmSource,米Phoenix Technologies,米Pinnacle Systems,米Red Hat,ソニー,米Speedera,米Sprint,ST Microsystems社,米Sun Microsystems,英Symbian,英Tao Group,米Texas Instruments,米TiVO,米Volera,Xiph.org Foundationの29社がHelixへのサポートを表明しているという。

 「デジタル・メディア業界が直面している主要な問題には,複数のフォーマットやアーキテクチャに対応するためのコストと手間,共通のアプリケーション・インタフェースが欠如したプリケーション開発にかかる費用などが挙げられる。また,パソコンだけでなくモバイル機器や家庭用機器へと対象が拡大するのに伴い,インターネットを介したメディア配信はますます複雑化している。技術RealNetworks社はHelix PlatformとHelix Communityで,これらの問題に対応する」(RealNetworks社)

 またRealNetworks社は,Helix Platformをベースにしたデジタル・メディア配信サーバー「Helix Universal Server」を同日発表した。「RealAudio」「RealVideo」「QuickTime」「MPEG-2」「MPEG-4」「Windows Media」形式のメディアをサポートし,「1万件の同時オーディオ・ストリーミングに対応する」(RealNetworks社)。すでに出荷を開始しており,Linux,UNIX,Windowsなどの主要OS上で動作する。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]