ドイツのSAP AGが現地時間10月17日に,2002年第3四半期の決算を発表した。売上高は17億ユーロ(約16億5100万ドル)で,前年同期の16億5000万ユーロ(約16億300万ドル)に比べて10%増加(為替差損を含まず)した。純利益は2億200万ユーロ(約1億9600万ドル)で,1株当り利益は0.65ユーロ(約0.63ドル)。前年同期の純利益は3700万ユーロ(約3600万ドル),1株当り利益は0.12ユーロ(約0.12ドル)だった。

 特別利益,買収経費,投資損失を除いた場合,純利益は2億2800万ユーロ(約2億2100万ドル)で,1株当り利益は0.73ユーロ(約0.71ドル)。前年同期の同条件の純利益は8600万ユーロ(約8400万ドル)で,1株当り利益は0.27ユーロ(約0.26ドル)であった。EBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)は3億9000万ユーロ(約3億7900万ドル)で,前年同期は2億3500万ユーロ(約2億2800万ドル)だった。

 地域別にみた売上高は,欧州/中東/アフリカ(EMEA)が9億1300万ユーロ(約8億8700万ドル)で,前年同期の8億4100万ユーロ(約8億1700万ドル)から9%増加。米大陸は5億8600万ユーロ(約5億6900万ドル)で,同6億1300万ユーロ(約5億9500万ドル)から4%減収。ちなみに為替差損を含まない場合,米大陸の売上高は前年同期比11%増となる。アジア太平洋地域(APA)は2億300万ユーロ(約1億9700万ドル)で,同1億9500万ユーロ(約1億8900万ドル)から4%増加した。

 製品収入は10億4000万ユーロ(約10億1000万ドル)で,前年同期の9億9500万ユーロ(約9億6700万ドル)から5%増加した。ライセンス収入は4億3500万ユーロ(約4億2300万ドル)で,同4億4700万ユーロ(約4億3400万ドル)に比べ3%減少。コンサルティングは5億4500万ユーロ(約5億2900万ドル)で,同5億2400万ユーロ(約5億900万ドル)から4%増収。トレーニング収入は9700万ユーロ(約9400万ドル)で,同1億1300万ユーロ(約1億800万ドル)から14%減少した。

 「mySAP CRM」関連ソフトウエア収入は約9300万ユーロ(約9000万ドル)で,前年同期の7800万ユーロ(約7600万ドル)から19%増加。全ライセンス収入の21%を占めている。「mySAP SCM」関連ソフトウエア収入は約9500万ユーロ(約9200万ドル)で,同9800万ユーロ(約9500万ドル)に比べ3%減少した。全ライセンス収入に占める割合は22%ある。

 「この混乱した状況のなかでも,企業はかなり大規模で長期的なソフトウエア投資を継続させている。しかしそのためには,柔軟で総合的なソリューションを提供できるベンダーが必要だ。当社にはそれに応える能力がある」(SAP社共同会長兼CEOのHenning Kagermann氏)

 なおSAP社は,2002年5月の株主総会で承認された株式買い戻し方針に基づき,今後数カ月間かけて1億ユーロ(約9700万ドル)相当の株式を追加で買い戻すことも明らかにした。ちなみに2002年中に買い戻した株式は2億5000万ユーロ(約2億4300万ドル)にのぼる。

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