米Apple Computerが米国時間10月16日,2002会計年度第4四半期(2002年7~9月期)と2002会計年度通年(2001年10月~2002年9月)の決算を発表した。2002年7~9月期の売上高は14億4000万ドルで前年同期と比べて横ばい。純損失は4500万ドル(1株当たり損失は13セント)で,前年同期の純利益6600万ドル(1株当たり利益は19セント)から赤字に転落した。

 当期の数字には,株式投資の償却費用4900万ドル,リストラ関連費用400万ドル,研究開発費100万ドルといった,一時的な費用が含まれている。一時的な費用を除いた純利益は700万ドル(1株当たり利益は2セント)となる。

 当期の粗利率は26.4%で,前年同期の30.1%から低下した。米国以外での売上高は総売上高の35%を占めた。

 また,当期におけるMacintoshの出荷台数は73万4000台で,前年同期と比べ14%減少した。

 Apple社CEOのSteve Jobs氏は,「業界では厳しい状況が続いているが,当社はいくつかの朗報に恵まれた。Mac OS X v10.2『Jaguar』の売れ行きが極めて好調で,年内にユーザー数が500万人に達する勢いだ。また,買い替えキャンペーン『Switchers』の反応もよく,多数の新規顧客を引きつけている。販売店では225万人の集客を果たし,売上高が1億ドルを超えた」と述べた。また同氏は,「すぐに景気が回復するとは思えないが,クリスマス商戦では『iPod』『iMac』『iBook』の売れ行きに期待している」とつけ加えた。

 Apple社CFOのFred Anderson氏は,「当期は目標としていた売上高を達成したほか,流通チャネルの在庫を通常レベルまで戻すことができたので,とても満足している」と語った。2003会計年度第1四半期(2002年10~12月期)の見通しについては,「売上高は当期をやや上回り,一時的な費用を除いた損益は若干の黒字になる」(同氏)と予測している。

 2001年10月~2002年9月の売上高は57億4000万ドル,純利益は6500万ドルとなった。前年度は売上高が53億6000万ドルで,2500万ドルの純損失を計上していた。

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