米IBMは米国時間10月3日,中小企業向けのポータル・サイト構築ソフトウエア「WebSphere Portal - Express」を発表した。「コストは1ユーザー当たり77ドル。わずか5回のクリックでインストールを完了できる」(IBM社)

 WebSphere Portal - Expressは,IBM社のアプリケーション・サーバー・ソフト「Websphere Application Server」へのサポート機能を備えており,ポータル・サイトのパーソナル化,キャンペーン管理,シングル・サインオン,証明や認証,ポータル・サイト間のコミュニケーションなどに対応する。1台のサーバーで運用できるので,「複数のサーバーや多数のIT職員を持たない中小企業向に最適である」(IBM社)

 WebSphere Portal - ExpressはWebサービス導入を視野に入れている。LDAPディレクトリを備え,Microsoft Active DirectoryやLotus Domino Directoryはオプションでサポートする。なお,WebSphere Portal - Expressで使用するポートレットはWebSphere Portalファミリ全体で再利用可能。

 またIBM社は,WebSphere Portal - Expressの姉妹製品「WebSphere Portal - Express Plus」を同日発表した。WebSphere Portal - Expressと同様の機能に加え,インスタント・メッセージング,オンライン・チャット,仮想チーム・ルーム,グループ・スケジュール,タスク管理,ドキュメント・ライブラリ,ドキュメント共有および編集といった機能を備える。

 さらにIBM社は新たなWebSphere Portal認定プログラムを明らかにした。オンライン・トレーニングや地域向けカリキュラム,ポータル・プロジェクトのROIを検証するためのツールなどを提供する。

 WebSphere Portal - ExpressおよびWebSphere Portal - Express Plusは,2002年10月31日にリリースする予定。世界市場に向けてダウンロード提供する。対応言語は英語,韓国語,日本語,簡体字中国語,繁体字中国語,フランス語,スペイン語,ドイツ語,イタリア語,ポーランド語,チェコスロバキア語,ブラジル系ポルトガル語,ヘブライ語,トルコ語。

 WebSphere Portal - Expressの価格は,イントラネットで利用する場合1ユーザー当たり77ドル(1Portal Server当たり最大2000ユーザーに対応),エクストラネットで利用する場合は1プロセサ当たり3万ドル(1Portal Server当たり最大4プロセサに対応)。WebSphere Portal - Express Plusの価格は,イントラネットで利用する場合1ユーザー当たり122ドル(1Portal Server当たり最大2000ユーザーに対応),エクストラネットで利用する場合1プロセサ当たり4万7820ドル(1Portal Server当たり最大4プロセサに対応)。

 ちなみに米IDCによると,ポータル・サイト市場は2001年の5億5000万ドル規模から,2006年には31億ドル以上の規模に拡大する。米Forrester Researchの調査では,約60%の企業が今年中にポータル・サイトに関する取り組みを進めるという。

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