米AMR Researchが米国時間4月4日に,ポータル市場に関する調査結果を発表した。企業ポータルを提供する15のベンダーを機能,技術,顧客へのサービス品質,所有コスト,価格の面で評価してランク付けしている。調査は,現在企業ポータルを採用する75を越える企業に対して行った。また同調査結果は,ベンダーの存続性の評価と現在同技術に投資している,または12カ月以内に採用を予定している企業にアドバイスを提供している。

 「企業はポータルにより既存のアプリケーションと情報ソースを活用できるが,製品の機能と顧客のレディネスにの両方において,企業ポータルのビジョンと現実の間に大きなギャップがある」(同社シニア・アナリストのJim Murphy氏)。

 調査の結果,多数のポータル提供ベンダーが存在し,ユーザーも強い関心を示しているのに反して,大半の企業が企業ポータルを優先事項として捉えておらず,現在採用している企業も多くない。

 調査対象となった企業の42%が企業ポータル構築の予算を確保しているが,同年にポータルを企業ITの優先事項でトップ3として捉えているのは,11%だけだった。

 さらに,採用している企業もポータルをエンド・ユーザーの21%にしか配備しておらず,プラットフォームの機能性の小部分(約27%)しか活用していないことがわかった。

 その他の主な結果と企業へのアドバイスは次の通り。

・ベンダー数の多さと細分化された市場により,企業のポータルに関わる決定が難しくなっており,不適切な判断により経費が高くついている。業界大手が市場に参入することで,企業はポータルに的を絞ったベンダーを離れている。そのため,これらベンダーはニッチ市場への進出を余儀されなくなっている。

・Plumtree社,Epicentric社,Vignette社がもっとも包括的なポータル製品を提供している。しかし,Oracle社,BEA System社,PeopleSoft社,SAP Portals社など多数の強力な企業が企業デスクトップの支配に向けて競っている。

・ポータルが有意義なものになるか多額の投資の無駄になるかは,ユーザーから見た拡張と適用の容易さにかかっている。ポータルでは,コンテンツ要素の追加,設定,管理統合が,予期せぬ経費となっている。

・ポータル・フレームワークの導入を検討する企業は,既存の開発環境,情報ソース,企業アプリケーション,予定する配備の規模,管理委託の必要性,ベンダーのビジョンなどそれぞれの要素と優先事項についてベンダーを評価すべきである。

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