米GartnerのDataquestが米国時間6月10日に,ポータル向けソフトウエアの世界市場に関する調査結果を発表した。2001年に同市場は59%成長し,ライセンスによる売上高が7億900万ドルに達したという。
市場は2006年まで着実な伸びをみせ,大手ソフトウエア・ベンダー間の競争が激化する。現在,市場に明確なリーダーはおらず,2001年は米Plumtree Software,ドイツのSAP,米IBMの3社が市場シェアをそれぞれ7%獲得して1位に並んだ。
「企業のIT支出が減少したほか,新興ベンダーの利用に慎重になっていることから,IBM社,米Sun Microsystems,SAP社など,名の通った大手ベンダーに売上高が集中した。またポータル製品を専門に取り扱う企業としては唯一,Plumtree社だけがトップ5に入ることができた。これは市場への早期参入,優れた販売パートナの確保,確立されたブランド名などに負うところが大きい」と,Dataquest社Software Industry Researchグループ担当副社長のJoanne Correia氏は説明した。
■ポータル向けソフトウエア・ベンダーの市場シェア (新規ライセンスによる売上高ベース) 2001年 2000年 売上高の 市場シェア 市場シェア 成長率 ベンダー (%) (%) (%) Plumtree 7 5 125 SAP 7 NA NA IBM 7 3 233 Sun Microsystems 6 7 29 BroadVision 5 NA NA その他 68 85 26 合計 100.0 100.0 59 出典:Dataquest社(2002年6月)
ポータル向けソフトウエア市場では2度目の整理統合が進んでおり,2002年末にピークに達する見通しだ。同市場には,利益を上げることができないベンチャ企業が乱立していたが,米国経済の減速により100社以上あったソフトウエア・ベンダーの50%以上が排除されつつある。「大手の独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)が,自社のプラットフォームにポータル・サービスを統合し,高度な機能性を備えた優れた製品を提供するようになったことで,小規模のISVの約半数が淘汰される」(Correia氏)という。
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