米Agency.comが米国時間12月3日に,「企業ポータルやイントラネットは,生産性と顧客サービスの向上に大きく貢献する」などとする調査結果を発表した。5000人の社員を擁する企業では,年間約2000万ドルの経費削減が図れるという。

 これはAGENCY.COM社が,米Harris Interactiveに依頼して行ったアンケート調査の結果をまとめたものである。アンケートは,「世界規模で事業を展開する銀行,通信事業者,製薬会社などの社員を対象に行った」(Agency.com社)。

 アンケートの結果によると,企業の社員はポータルやイントラネットを効率的に利用することで,1週間あたり2.8時間(7.1%)節減できるという。「社員数5000人の企業で年間約2000万ドル削減できる」というのは,1人あたりの年間コストを5万5000ドルと仮定し,この労働時間分を差し引いて求めたものである。

 アンケートでは以下のような回答もあったという。

・企業ポータルを,「1週間あたり8時間以上利用する」社員は,「1週間あたり2時間以下利用する」社員より,生産性を9倍以上高めることができる。

・企業ポータルのコンテンツ/機能/使いやすさなどが向上すれば,1週間あたりに節約できる時間を現在の2.8時間から6時間へと倍増できる。

 また同社は,イントラネット/企業ポータルは対外的にもメリットがあると説明する。「これまでイントラネットは,社内のコスト削減に重点を置いたツールだと考えられていた。しかしこの調査で,顧客サービスの品質向上にも貢献することが明らかになった。良いサービスの提供は,顧客のロイヤリティ確保につながり,製品やサービスに対する需要拡大につながる」(Agency.com社,Business to Employee (B2E) Practice部門副社長のMatt Kaplan氏)。

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