米IBMが米国時間4月9日に,企業ポータル・サイト構築ソフトウエア「WebSphere Portal」の「バージョン4.1」を発表した。企業が効率的に共同作業を進め,情報のパーソナル化や共有を容易に行えるようにする。

 WebSphere Portalは同社の新たなプラクティス「Dynamic Workplaces」を構成する要素の一つ。IBM社自身がe-businessへの移行で利用した企業イントラネット技術とソリューションを提供するとしている。

 WebSphere Portalを利用することにより,社員は自身で共同作業環境を作成し,書類の編集や情報ライブラリの開設,スケジュールの管理,インスタント・メッセンジャを使ったディスカッションを行うことができる。

 WebSphere Portal 4.1は,シームレスにポートレットと統合できるコラボラティブ機能,認定試験の合格状況を把握するといったイベントおよびキャンペーン管理機能,コンテンツを公開するためのテンプレートやワークフローなどを備える。また,ポートレットを作成し,Webサービスとして用いることも可能。WebSphere Portal 4.1で作成したWebサービスはUDDI ProjectのUDDIレジストリに登録される。UDDIレジストリで検出したWebサービスをWebSphere Portalに取り入れることもできる。WebSphere Portal 4.1には,セキュリティ機能として同社製品「Tivoli Access Manager」の技術を組み込む。

 また,IBM社はWebSphere Portal Version 4.1と電子商取引用ソフトウエア「WebSphere Commerce 5.4」を組み合わせたサービスを提供する予定である。

 WebSphere Portal 4.1は5月31日にダウンロード配布を開始する。一般向けには6月26日に出荷を始める。

 2002年後半には,WebSphere Portalの新製品をリリースする予定である。各業界に特化した製品5種類と中小企業向け製品1種類が含まれる。2002年第3四半期には,WebSphere Portalの強化版ソリューションを発表する計画である。

 ちなみに,米Giga Information Servicesの調査によると,企業ポータル・サイト市場の規模は2002年の8億5000万ドルから,2005年には20億ドルに拡大するという。また,企業の約60%が2002年にポータル・サイト構築に着手するようになる。

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