米Openwave Systemsはカリフォルニア州レッドウッド・シティと横浜で現地時間9月25日に,Java対応携帯電話機向けのマルチメディア・コンテンツ管理ソフトウエア「Mobile JAM Plus」を発表した。同ソフトウエアは,2003年の中ごろに出荷する携帯電話機が採用する予定。

 Openwave社は,横浜で開催中のJavaOne Japan ConferenceでMobile JAM Plusのデモンストレーションを行っている。「当社のマイクロブラウザ『Mobile Browser』を使用するメーカーに対し,Java技術の実装と統合を行うための効率的かつ魅力的な手法を提供する」(同社)

 Mobile JAM Plusの主な機能は以下の通り。

・コンテンツ/アプリケーション・カタログ:携帯電話事業者は携帯電話機に保存するカタログを発行し,ユーザーによるコンテンツ検出とダウンロード作業を簡素化できる。その結果,特定のコンテンツのプロモーションが可能となる。

・各種標準への対応:Mobile Information Device Profile(MIDP)1.0,Wireless Application Protocol(WAP)Download,WAP Digital Rights Management(DRM)に対応している。さらに,MIDP 2.0仕様が確定し次第対応する予定。これにより,コンテンツ所有者の知的所有権を侵害する危険を避けて,安全にコンテンツのダウンロードや販売を行える。

・写真の操作:写真のプレビューやズームなどの機能に加え,携帯電話機に搭載したメッセージングおよびカメラ・ソフトウエアを組み合わせた使用が可能。ユーザーは,一貫した方法で写真の管理や共有を行える。

 「現在のところ,携帯電話機にJava技術環境を実装するには多くの作業が必要で,移植にかかる負荷は増大している。Mobile JAM Plusを利用すると,携帯電話機メーカーはこれらの負荷を軽減でき,製品の市場投入を高速化し,ブラウザとJava技術環境との相互接続性を確保できるようになる」(Openwave社)

 また同社は米国時間9月25日に,マイクロ・ブラウザの新版「Mobile Browser, version 6.1」を発表した。「ユーザーがゲームや着信音,Javaアプリケーションなどのサービスを使う際に,簡単に検出/ダウンロード/利用するための方法を提供する」(同社)

 Mobile Browser, version 6.1はWAP 2.0に対応しており,現在米LG InfoComm U.S.A.のPCS携帯電話機「LG Model 5350」で利用できる。また,出荷時に同ブラウザを搭載予定の携帯電話機の数は,世界各地のメーカー20社以上の35機種に上るという。

 Mobile Browserの主な新機能は以下の通り。

・アニメーションGIFと主要画像形式のカラー表示に対応

・WAP Push機能の改善

・以前入力したことのあるURL,氏名,住所を記憶し,自動的に入力する機能

・閲覧したWebページ上の画像やサウンドを保存して管理する機能

・Webページのスナップショットを保存し,後からオフライン状態にして閲覧する機能

・クッキーと認証用の“wallet”に対応

・XHTMLおよびWireless Cascading Style Sheets(WCSS)に対応

◎関連記事
米オープンウェーブがモバイル・アプリ用UI開発ライブラリをオープン・ソースとして公開
米Openwave Systems,J-フォンの動画メッセ―ジング機能の強化を支援
アクセス,次期マイクロブラウザ「NetFront v3.0」をWAP 2.0対応に
データ管理機能や表現力向上を図った“WAP 2.0”公開レビュー版がリリース
「無線イメージングの世界ユーザーは年平均93%で増加,2007年には1億6000万人超」,米企業の調査
「マルチメディア・メッセージングが欧州のモバイル市場をけん引」と米ヤンキー
高付加価値モバイル・サービスへの関心度,高いのはイタリア,米国は低い
J-フォンのカメラ内蔵携帯電話が300万台突破。稼働数の約1/4が“写メール”対応に

[発表資料(Mobile JAM Plus)]
[発表資料(Mobile Browser, version 6.1)]