PCIA(Personal Communications Industry Association)と米Yankelovichが米国時間8月27日に,世界の無線サービス市場に関する調査結果を発表した。各国で高付加価値モバイル・サービスへの需要が高まっている。一つ以上の無線によるトランザクション・サービスに関心があると回答したユーザーは,米国で57%だった。

 一方,最も無線サービスの需要が高く,導入の準備が整っているイタリアでは84%だった。しかし,株価のチェックや株および債券の購入にモバイル・サービスを利用したいと考える米国ユーザーは,日本,韓国,英国と比較して多い。

 調査は米国,ドイツ,イタリア,日本,韓国,英国を対象に実施したもの。各国の消費者が関心を持つサービスは,無線ネットワークの接続速度など,使用環境によってさまざまである。

 高付加価値モバイル・サービス全般に関心が高かったのはイタリアである。イタリアでは,情報サービス,エンターテインメント・サービス,トランザクション・サービスに関心を持つユーザーが,それぞれ94%,86%,84%だった。次いで韓国ユーザーの関心が高く,英国,ドイツ,日本,米国が続く。

 また情報サービスのなかで回答者に人気が高かったのは,無線デバイスを使って地図や道順にアクセスする位置情報サービス,リアルタイムの交通情報サービス,家庭内に設置したカメラへのアクセス,最寄りのATMの検索サービスなどである。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・ユーザーがモバイル・サービスを利用する第一の理由は,調査対象となったすべての国において「家族や友人と常に連絡を取れるようにするため」が圧倒的に多かった。

・各国のユーザーは,無線技術やサービスの開発を行うべき理由として,緊急時における位置情報に基づいたサービスの必要性を挙げた。

・各国において最も人気の高い無線デバイスの用途は,インスタント・メッセージの送受信である。ついで電子メールである。

 モバイル・インターネットに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「モバイル」で詳しくお読みいただけます。

◎関連記事
位置情報サービスの“キラー・アプリ説”に疑問 符
「位置情報サービス市場は4年後に現在の350倍,普及は2002年から」と米In-Stat
米国のモバイル・ネット市場,7年間で62倍の258億9000万ドル規模に
モバイル・データ・サービス市場,2011年に1300億ユーロを現在の約20倍に
顧客情報の分析と活用が技術よりも重要---。欧州のmコマースからの教訓
「世界のmコマース市場はまだ発展途上,日本以外ではゆるやかに成長」,米In-Statの調査
「2001年の米国mコマースは2200万ドル,興味ある人はたった7%」と米ジュピター
「mコマースの潜在消費者数は,既存ECユーザーの8倍」とノキアの調査 

[発表資料へ]