米Yankee Groupは欧州でのモバイル通信市場に関する調査結果を英国時間1月22日,発表した。モバイル通信産業はMMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)の導入により,かつてない勢いで進むという。

 MMSを導入するにはインフラ,アプリケーション,端末,システム統合などに新たな投資を行う必要がある。しかしMMSを導入することで,モバイル通信事業者はユーザー1人当たりの平均売り上げ(ARPU)を大幅に伸ばし,顧客維持率を向上させ,3G技術に対する大規模な投資をある程度正当化できる。

 「MMSは,現在のテキスト・ベースのモバイル通信をマルチメディア・アプリケーション環境へと進化させる革新的な技術である。音声,テキスト,画像,ビデオなどを統合し,固定端末とモバイル機器間でやり取りが行えるようになる」(Yankee社無線リサーチ/コンサルティング担当ディレクタのDeclan Lonergan氏)。

 Lonergan氏によると,SMS(ショート・メッセージング・サービス),SMSを拡張したEMS(Enhanced Messaging Service),MMSなどの個人間におけるすべてのメッセージング・システムが,欧州におけるモバイル・サービスの売上高を伸ばす原動力となる。2006年には,メッセージング・サービスによる売上高は440億ドルに達し,年間サービス売上高の24%を占める見通しだ。2000年にメッセージング・サービスが占めた割合は7%だった。

 消費者が今後,さまざまなマルチメディア・アプリケーションを利用するようになるにつれ,MMS技術がより重要になる。また,消費者がMMS技術を利用するためにハンドセットをアップグレードすることが予想され,ハンドセットの売上高が伸びるとみる。

◎関連記事
モバイル・データ・サービス市場,2011年に1300億ユーロを現在の約20倍に
ボーダフォンとエリクソンがマルチメディア・メッセージング・サービスで提携
「モバイル・データ・サービスの市場規模は今後10年で40%増」と米調査会社 
従来の携帯電話機でもマルチメディア・メッセージ,ノキアがゲートウエイ発表
ノキアが「Symbian OS」搭載の携帯電話機「Nokia 7650」などを発表

 モバイル・インターネットに関する情報は総合IT情報サイト『IT Pro』の「モバイル」で詳しくお読みいただけます。

[発表資料へ]