米BEA Systemsが,Java仮想マシン(JVM)の新版「WebLogic JRockit 7.0」の一般提供を開始する。同社が米国時間9月9日に明らかにしたもの。同JVMは,BEA Systems社のWWWサイトより直ちに無料でダウンロード可能とする。

 同社は米Intelと2年間共同で作業を行い,Intelベースのサーバー向けWebLogicプラットフォームの設計,最適化,マーケティングを行ってきた。「Intel社のXeonおよびItaniumに,WebLogic JRockit 7.0を最適化させた。広く普及し経済的なIntelベースのサーバーでJavaアプリケーションを動かせるので,総所有コスト(TCO)削減に貢献する」(BEA Systems社)

 WebLogic JRockit 7.0はさまざまなハードウエアやOSの組み合わせで動作するので,ハードウエア・メーカーの選択肢が広がり,OSも米Red HatのLinuxや米MicrosoftのWindowsなどに対応する。

 また,これまでIntelベースのサーバーでエンタプライズ規模のJavaアプリケーションを動かすには,2Gバイトという最大容量のメモリーを割り当てた「WebLogic Server」を複数動作させていたという。「汎用的でないRISCベースのハードウエアを使用する場合には,さらに費用がかかった」(同社)。それに対しWebLogic JRockitの新版はItaniumベースのシステムで利用できるので,メモリーの制限がなくなった。動作速度を損なうことなく,数100Gバイトの情報を扱うアプリケーションの運用が可能という。

 同社はWebLogic JRockit 7.0の特徴として,優れた拡張性,価格,性能,柔軟性,パートナ・サポートのほか,管理が容易な点を挙げている。WebLogic JRockitは管理コンソールを備えており,サーバーの動作や利用可能なアプリケーション・リソースの情報をリアルタイムに報告できる。「これにより,JVMとJavaアプリケーションの動作状況を監視し,アプリケーションの切り替えや利用可能リソースについて自動的に通知させ,リソースに関わる問題を未然に防止できる」(同社)

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