アプリケーション・サーバー世界市場，2000年の92％成長から2001年は20％成長へ急減速

早坂利之

2002.05.24

　米GartnerのDataquestが米国時間5月22日，2001年におけるアプリケーション・サーバーの世界市場に関する調査結果を発表した。市場の成長は大幅に減速し，新規ライセンスによる売上高は前年比20％増の11億8000万ドルにとどまった。ちなみに2000年の売上高は，前年比92％増の9億9000万ドルだった。

　米BEA Systemsが売上高ベースの市場シェア34％で首位を獲得。米IBMが上位5ベンダーでは最も急速な成長をみせ，僅差で2位につけた。

　「アプリケーション・サーバー市場では，ベンダーがローエンドとハイエンドに分断化されつつある。ハイエンド分野では，IBM社やBEA社が1分当たりのトランザクションを数百万のレベルに押し上げようとしている。またローエンド分野では，米Hewlett-Packard（HP）や米Microsoftが，高速な処理能力を必要としない市場や中小企業向けに，お金のかからない技術を搭載した製品を提供している」（Dataquest社Software Industry調査グループ担当副社長のJoanne Correia氏）

■新規ライセンスによる売上高ベースのベンダー別市場シェア

ベンダー    2001年          2000年           売上高
          市場シェア      市場シェア         成長率
           （％）          （％）           （％）

BEA          34              33               23
IBM          31              22               71
Sun           9              10                9
Iona          3               0               NA
Sybase        1               1               26
その他       22              34              -25
合計        100             100               20

出典：Dataquest社

　すべての主要ソフトウエアおよびハードウエア・ベンダーは，自社のアプリケーション・サーバーをeビジネス・プラットフォームとして企業アプリケーション構築向けに売り込んでいる。アプリケーション・サーバーをパッケージ・アプリケーション，ポータル・サイト，開発ツール，商取引向けプラットフォームなどと組み合わせて販売する傾向は，2002年以降急激に加速する見通しだ。

　ちなみに米IDCの調査によると，アプリケーション・サーバー・ソフトウエア・プラットフォーム（ASSP）市場は，2006年に約44億ドル規模まで成長する。2001年は，1999～2000年にかけてみられたような急激な伸びはなかったが，経済状況が上向きになるにつれ，大手ASSPベンダーにチャンスが到来するという。