米Microsoftが米国時間7月31日に,サーバーOS「Windows 2000 Server」の導入を支援するための取り組み「Microsoft Systems Architecture(MSA)」を発表した。企業におけるWindows 2000 Server導入作業を簡素化し,社内のコンピュータ・インフラと統合する際の期間と費用を極力少なくすることが目的という。

 同社はデータ・センターの運用を迅速かつ効率的に行うため「prescriptive architecture guide(PAG)」と呼ぶプログラムを開発中であり,同日発表したインターネット・データ・センター(IDC)向けのMSAはPAGの最初の取り組みに相当する。

 MSAは,Windows 2000 Serverベースのコンピュータ環境の設定/管理を行うために,以下の三つのコンポーネントで構成されている。

・参照アーキテクチャ・ガイド:設定/試験済みのシステム・アーキテクチャと文書一式

・サービス・モデル:参照アーキテクチャの実装を支援するためのモデル

・サポート・モデル:関連するベンダーの提供するシステム・サポートの範囲設定

 MSAについて,Microsoft社Windows部門担当上級副社長のBrian Valentine氏は「当社は業界のパートナ企業と協力し,ITを成功に導くための“青写真”をMSAを通じて顧客に提供していく」と説明する。「MSAは,企業がシステムを導入する際に必要な期間,費用,リスクを小さくするために,最適なハードウエア,ソフトウエア,サービス,サポートを組み合わせる」(同氏)

 PAGの目的は,安全で有効利用でき,信頼性,拡張性,管理性に優れたコンピュータ環境の構築を支援することという。「OS,サーバー,ストレージ,ネットワークといった主要な中核技術をすべて含む統合システム・アーキテクチャにより,顧客は大きなメリットを得る。このアーキテクチャは,顧客が実装を行う前に,構築や検証を済ませてある」(同社)

 Microsoft社とパートナ企業はPAGを共同開発し,以下の用途で必要とされるデータ・セットを顧客に提供する。

・ディレクトリ・サービスやメッセージングなど,企業向けのコンピューティング機能で使うインフラ・サポート

・IDCなど企業データ・センター向けの設定

・企業全体で使用するエンド・ツー・エンドのITシステム

 さらに同社は,PAGが特定の受入れ基準を満たすことを検証するため,認定プログラムを用意する。

 最初のIDC向けPAG(IDC PAG)にあたる「The Internet Blueprint for the Microsoft Systems Architecture」と「The Internet Blueprint Plus for the Microsoft Systems Architecture」は,米Avanade,米Brocade Communications Systems,米Dell Computer,米Emulex,米EMC,カナダNortel Networks,米Unisysが提供する。

 フランスCap Gemini Ernst & Young,米Cisco Systems,米Hewlett-Packard,Microsoft Consulting ServicesもIDC PAGの情報を提供する。さらに,米Accenture,オランダFujitsu Siemens ComputersおよびSiemens Business Services,米Hitachi Data Systems,米IBMおよびIBM Global Services,NEC,米NetIQなどが,システム・アーキテクチャ・ガイドの開発や提供に協力するという。

 MSAの詳細については,Microsoft社のWWWサイトに掲載している。

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