「2001年におけるLinux市場の成長率は154%。2000年の成長率とほぼ同程度。2002年半ばまでには世界のWWWサーバー・プラットフォーム市場でLinuxが最大のシェアを占める」。インターネット・ソリューションを手掛ける英Idayaと同社が出資するオープン・ソースのWWWホスティング・プラットフォーム・ベンダー英freeVSDが,英国時間4月3日に調査結果を発表した。

 調査は両社が2001年1月から3月にかけて世界各地のISP企業を対象に実施したもの。GPL技術やアプリケーションを手掛ける企業などで,事業マネージャーや技術管理職,サービス・マネージャーから回答を得た。

 「Linux市場の成長見通しは,Linuxの機能向上にかかっており,とりわけ生産性ツールが幅広くLinuxにポーティングされる必要がある。ファイル・システムのジャーナリングなどフェイル・セーフ技術も重要」(両社)。

 両社はLinux市場の成長を阻む課題として,「アプリケーションの開発企業やディストリビュータのサポートが十分でないこと」と「市場には既存の製品に傾く“保守主義”的な風潮があり,GPLベースのソリューションに対する信頼がまだ十分でないこと」の2点を挙げる。

 その他の調査結果は以下の通り。

・成長を促す要因としては,「ソフトウエアの機能向上」(66%),「ジャーナル・ファイル・システムの機能向上」(53%),「インストールの簡易化」(48%),「GUIの向上」を挙げた人が多かった。

・「2003年までにはWWWホスティング・サービス市場でオープン・ソースのソフトウエアが最大のカテゴリに拡大,市場を制す」とみる人は45%。一方で「最大のカテゴリにはならない」という人も33%いた。

・「オープン・ソース・ソフトウエアは企業向けアプリケーションとして十分に利用できるレベルに達している」と回答した人は64%。

・「freeBSDとLinuxディストリビューションは開発ツールなどに関し,連携強化すべき」とした人が70%にのぼった。

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