2000年のサーバー市場は前年比7％増，米IBMが首位堅持，Linuxが132％増の躍進

横田英史

2001.03.15

　米International Data Corporation（IDC）が米国時間3月14日に，「世界のサーバー市場は2000年第4四半期も好調だった。工場出荷額ベースで前年同期比14％増の167億ドル規模に，出荷台数ベースでは同16％増の120万台に達した」との調査結果を発表した。

　ラックマウント型が好調で，前年比257％増と大きな伸びをみせた。「技術面での進歩が幅広い産業分野で顧客を引き付けた」（IDC，Global Enterprise Server Solutions部門担当副社長のVernon Turner氏）。一方で，その他のカテゴリは約6％減だった。

　2000年通年の市場は，出荷額が前年比7％増の602億ドル，出荷台数は同17％増の約440万台に成長した。

　OS別にみると，Linuxが2000年通年で132％増の17億ドル規模と伸び率としては最も大きかった。第4四半期は前年同期比79％増。Windows NTも好調で，2000年通年では31％増の139億ドル，第4四半期には前年同期比33％と通年を上回る伸び率で成長し，およそ38億ドルとなった。UNIXも2000年通年で前年比14％増の290億ドルへと拡大した。第4四半期の伸び率は前年同期比18％増とWindows NT同様に通年を上回っている。

　2000年通年の出荷額をベンダー別にみると，米IBMがシェア23％で首位を堅持した。米Sun Microsystemsが前年の4位から2位に浮上し，前年2位の米Compaq Computerは僅差で3位に後退した。両社のシェアはSun社が17％，Compaq社が16.5％。米Hewlett-Packardは15％で，前年の3位から4位に後退した。5位米Dell Computerは6％だった。

　第4四半期は，IBM社が1位でシェアは27％。2位はCompaq社の16.34％，3位はSun社の16.32％だった。僅差でCompaq社が競り勝った。HP社は14％，Dell社はおよそ6％のシェアを獲得した。上位5社で市場全体のおよそ80％を占めている。

　なおIBM社は同日，IDCの調査結果を引用して，「2000年通年の当社のサーバー出荷額は135億9000万ドル。ライバルのSun社は102億9000万ドルだった。Sun社に32％もの差をつけ，当社が世界のサーバー市場の頂点に立っている。出荷台数でみれも，IBM社が60万8118台，Sun社が34万3803台で77％の差がある」と発表した。

　IBM社は，世界市場で首位となったほか，欧州市場（シェア25％），アジア太平洋市場（28％），ミッドレンジ機市場[10万～100万ドル]（28％），ハイエンド機市場[1万ドル以上]（36％）の各カテゴリでも出荷額ベースで首位を獲得しているという。

　HP社も同日IDCの調査を引用し，「2000年のミッドレンジUNIXサーバー市場で当社が首位を堅持した」と発表した。UNIXサーバー全体では前年比16.7％で前年に引き続き2位，エントリー・レベルのUNIXサーバー市場でも2位，ハイエンド機では3位だったと報告している。

＜サーバー市場＞
■「2000年の世界サーバー市場は売上高で11％成長，IBMが首位を維持」，Dataquestの調査
■「2000年の世界サーバー出荷台数は14％増，Q4の急成長が牽引」，Dataquestの調査
■「Q3の世界サーバー市場は12％成長の154億ドル，ラック型は5倍に」と米IDC
■「2005年にサーバー市場でのItaniumのシェアが42％に」と米Aberdeen

＜サーバーOS市場＞
■「Microsoftが勢力拡充，サーバーOSの41％，クライアントOSの92％がWindows」，IDCの調査
■「Windows 2000のQ4出荷本数はWindows NTを170万本上回る」とIDCの調査
■「2004年までのサーバOS，Linuxの本数は年平均28％で拡大」とIDC
■Linuxに賭け始めたサーバー・ベンダー
■本流に向かうLinux，主力IT企業がLinuxWorldで強力支援を表明
■【TechWeb特約】「最大のライバルはLinux」，米マイクロソフトのバルマー社長兼CEO