米Microsoftが米国時間7月11日に,同社がリリースを予定しているCRMアプリケーション「Microsoft Customer Relationship Management(CRM)」に関する戦略を明らかにした。Microsoft社Business Solutions部門CRM担当ジェネラル・マネージャのDavid Thacher氏が,月例イベント「Silicon Valley Speaker Series」で,Microsoft CRMのデモを行った際に語ったもの。また同社は,リリースに向けた取り組みが進んでいることを強調した。

 「Microsoft CRMは.NETを基盤として構築した。インターネット・サービス・ベンダーおよびパートナがWebサービスを利用して,自社のシステムを拡張できるようにする。.NETはシステムの接続を簡素化し,クレジット照合,解析,自動マーケティング支援といった外部のWebサービスを利用したソリューションの強化を可能にする」(Thacher氏)

 Microsoft CRMは他のMicrosoft社の中小企業向けCRMサービスを補完するものとなる。Microsoft社の中小企業向けCRMサービスには,「bCentral Customer Manager」「iCommunicate」をはじめ,「Great Plains eEnterprise Field Service」「同Solomon Field Service 」「同Siebel Front Office」などがある。

 ユーザーはOutlookまたはWebブラウザを使ってMicrosoft CRMにアクセスできる。顧客関係向上に必要なツールを利用し,「豊富な販売サービスや一貫した顧客サービスを展開することが可能」(Microsoft社)。

 Microsoft CRMはスタンドアロン製品または「Great Plains Dynamics」「同Solomon」「同eEnterprise」ソリューションの一部として提供する。いずれは「Navision Attain」や「Axapta」にも組み込む。北米でのリリースは2002年第4四半期を予定している。StandardレベルとProfessionalレベルを用意し,ライセンス・モデルは「Sales」「Service」「Suite」から選択できる。StandardレベルでSalesライセンス・モデルの場合,価格は1ユーザー当たり395ドルで,サーバー用に995ドルが加わる。ProfessionalレベルでSuiteライセンス・モデルの場合,価格は1ユーザー当たり1395ドルで,サーバー用に1990ドルが加わる。

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