中小企業向けビジネス管理ソフトウエアを手がける米Microsoft傘下のMicrosoft Great Plains Business Solutionsと,米Crystal Decisions(旧称:Seagate Software)が,CRMソフトウエアに関してOEM/再販契約を締結した。両社が米国時間6月19日に明らかにしたもの。

 この契約によりCrystal Decisions社は,同社の「Crystal Enterprise」のレポート/分析/情報配信機能を,「Microsoft Customer Relationship Management(CRM)」に提供する。またこれに伴いMicrosoft社は,Crystal Decisions社の製品やサービスの再販を行う。

 Microsoft CRMは,「Microsoft社による初めての.NET対応ビジネス・ソリューション」(Microsoft社)。「Microsoft Outlook」とWWWブラウザからのアクセス可能で,「販売の効率向上や顧客サービスの一貫性を増すことで,中小企業はより収益性のある顧客関係を構築できる」(Microsoft社)。また,「Microsoft Office」「Microsoft Great Plains」バックオフィス・ソリューションへの組み込みも可能となる。

 Crystal Enterpriseを利用することで,実質的にあらゆるデータ・ソースやアプリケーションのデータにアクセスできるという。データの分析,レポート作成,従業員/顧客/パートナ間での情報共有も可能になる。

 この契約により,Crystal Decisions社はMicrosoft社に対し「Crystal Enterprise for Microsoft CRM」と呼ぶOEM版を供給する。Microsoft社はこれをMicrosoft CRMの付属コンポーネントとして提供する。顧客は125種類ある定義済み報告書の表示や印刷などを行えるほか,付属するツールを利用できるようになる。

 さらに,Microsoft社は,全世界で各種コンポーネントの再販を行う。同社は今後,Crystal Enterprise for Microsoft CRMのライセンスや「Crystal Reports Standard」といったパッケージ製品に加え,Crystal Decisions社のトレーニングやサポートなどのサービスを取り扱っていく。

 Microsoft CRMは単独の製品として販売するほか,「Microsoft Great Plains Dynamics」「同Solomon」「同eEnterprise」用の組み込みソリューションとしても提供する。北米では2002年第4四半期のリリースを予定する。そのほかの地域では,2003年第1四半期に利用可能とする。

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