米Accentureが米国時間7月2日に,企業のCRM導入について調査した結果を発表した。それによると,企業幹部の55%はCRMに不満を抱いているという。

 回答者の74%はCRMがうまく機能しない要因として「計画実行の不備」を挙げた。Accenture社は,「CRMの能力を最大限に活用するには,プロジェクトの目標と実行のずれをなくすことだ」と説明する。

 「多くのCRMプロジェクトでは特定のツールや技術に焦点を当て,顧客関係の価値増加といった最終的な目標は二の次になっている」(Accenture社Customer Relationship Management部門グローバル・マネージング・パートナのJohn Freeland氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・回答者の56%は,包括的な顧客データを利用できれば業績が1%~20%成長すると考えている。

・顧客の履歴データ,既存データ,リアルタイム・データを提供する機能が売上高を「大幅に増加させる」とする回答者は35%,「いくぶん増加させる」という回答者は43%だった。

・あらゆる顧客データを「大いに活用」して劇的な売り上げ増加につなげているという回答者は,20%をわずかに上まわる程度だった。40%の企業幹部は,顧客データを「いくぶん活用」していると答えた。

・企業幹部の33%は,顧客の洞察に技術が「おおいに役立つ」と回答。54%は「いくぶん役立つ」と答えた。

・「計画実行の不備」以外にCRMがうまく機能しない要因としては,「長期的CRM目標の欠如」「不十分な投資」「不適切なROI算出」などが挙げられた。

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