米GartnerのDataquestが米国時間4月9日に,CRM(customer relationship management)サービスの世界市場に関する調査結果を明らかにした。先行き不透明な世界経済にも関わらず,2001年の市場規模は前年比10.6%で成長し,2000年の199億ドルから220億ドルに拡大した。また2002年は253億ドル規模,2006年には470億ドル規模へと,着実に成長する見通しである。

 2001年のCRM市場で主流を占めたカテゴリは,開発および統合サービスだった。しかし,IT管理サービスやビジネス管理サービスも大きな伸びをみせており,今後一層,市場の成長に貢献することが予測される。また2002年は,CRMソリューションをサポートする顧客連絡センターのアウトソーシングなどを含むビジネス・プロセス管理も急伸するとみる。

 「WWWベースの顧客サポートが徐々に安定していることから,今後はCRM構想の焦点が戦術的および戦略的なものから,CRM分析やビジネス・インテリジェンスといった方向へ転換するだろう」(Dataquest社IT Servicesプログラム主任アナリストのDebashish Sinha氏)

 またSinha氏は「CRMサービス市場の状況は今後ますます厳しくなる。ベンダーが成功するには,CRMサービスの実装だけでなく,特定の目標達成に向けたCRM戦略やアーキテクチャの開発が必要だ」と指摘した。

 なお大規模企業は自社のCRM戦略を再評価する時期にきており,CRMサービスの導入を一時保留することが予測される。このため市場の成長は,おもに中小企業によって後押しされる見通しだ。

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