米IDCは米国時間4月22日に,CRM(customer relationship management)市場に関する調査結果を発表した。CRMの世界市場は年平均18.6%で成長し,2006年には455億ドル規模へ拡大する。また米国では,CRMサービス市場がITサービス市場全般を上回る勢いで伸び,2006年には180億ドル規模に達する。

 ここ数年間に,企業が顧客に対する迅速な対応を重視するようになったため,CRM関連サービス市場が急拡大しているという。とりわけ,顧客サービスのアウトソーシング分野における伸びが顕著である。顧客サービスのアウトソーシングとCRMコンサルティング・サービスを合わせた顧客サービスの世界市場は,2001年に349億ドル規模に達した。2006年には903億ドル規模に成長する見通しだ。

 「CRMのサービス・プロバイダは今後5年間,CRM戦略のコンサルティングや顧客サービスのアウトソーシングを求める顧客によって,大きな収益機会を得ることになる」(IDC,CRM and Customer Care Services調査プログラム部門プログラム・マネージャのBrian Bingham氏)。

 CRMサービスや顧客サービスを提供する企業に向けた,IDCのアドバイスは以下の通り。

・CRM導入に対して,長期的な目標を念頭においた段階的なアプローチを提唱する
・多様なサービスが連鎖しているCRMサービスのエコシステムをうまく利用する
・CRMサービスを提供する場合,“設計/構築”および“運用”の両アプローチを組み合わせる
・顧客にビジネス価値を提供することに注力する
・業界別のノウハウを拡充する
・必要に応じて他社との連携も検討する

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