米MotorolaのPDA/携帯電話機向けマイクロプロセサ「DragonBall MX1」が,米Palm傘下のPalm OS事業である米PalmSourceから「Palm OS 5」に適合しているとの認定を受けた。Motorola社の半導体製品部門が米国時間6月27日に明らかにしたもの。この認定によりMotorola社は,Palm OS 5プラットフォームのライセンシに対し,総合プロセサ・ソリューションの提供が可能となる。

 「DragonBall MX1が認定を受けたことで,Palm OS 5のライセンシは開発期間を大幅に短縮できる。独創的で他社製品との差異化が可能な得意分野に開発者などの技術リソースを集中できる」(Motorola社無線/モバイル・システム部門担当副社長兼ジェネラル・マネージャのOmid Tahernia氏)

 DragonBall MX1は,次世代ハンドヘルド・コンピュータ,2.5G/3G対応無線モバイル製品,スマートフォン,情報アプライアンス,Webブラウザ/タブレットといった機器向けの組み込み用マイクロプロセサである。英ARMのマイクロプロセサ用コア「ARM」を採用しており,「低消費電力,高性能,業界随一の高集積化,豊富な周辺回路群のバランスを取っている」(Motorola社)。さらに,外部のBluetoothソリューションと高速インタフェースで接続する用途にも最適化しているという。

 DragonBall MX1のコアである「ARM920T」の動作周波数は最高200MHz。また同マイクロプロセサは,カラー・グラフィクス処理回路,MP3/MPEG4メディア処理回路を内蔵する。

 Palm OS 5はハンドヘルド機器やスマートフォン向けのOS。PalmSource社は,2月に開催した開発者向け会議/展示会PalmSource Conference and Expoで,同OSのベータ版を配布6月20日には,最終版をライセンシに向けて出荷している。なおMotorola社は,先ごろ日本と欧州で開催されたPalmSource Conferenceで,Palm OS 5をMotorola社製のハードウエア上で動作させるデモンストレーションを行っている。

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