米Palmの「Palm OS」事業部門である米PalmSourceが米国時間2月5日に,「Palm OS 5」のベータ版を公開した。カリフォルニア州サンノゼで開幕した開発者向け会議/展示会「PalmSource Conference and Expo」で同社が明らかにしたもの。
併せて同社は,ライセンシに向けたPalm OS 5最終版の提供を,2002年の初夏に予定していることも明らかにした。
Palm OS 5.0は,ARMアーキテクチャのマイクロ・コントローラを搭載するPDAに向けたOS。「ARMアーキテクチャのプロセサに,Palm OSの柔軟性,技術革新,使いやすさを提供する」(PalmSource社)という。「性能,データ・セキュリティの向上,マルチメディア機能,無線ネットワーキング機能,そして既存Palm OSソフトウエアとの互換性も提供する」(同社)
同社が発表したPalm OS 5.0の主な特徴は以下の通りである。
- セキュリティ:米RSA SecurityのRC4アルゴリズムをベースとした128ビット長の暗号化機能を備える。加えて,安全なエンド・ツー・エンド通信のために,SSL(Secure Sockets Layer)をサポートする
- マルチメディア:CD品質のデジタル・オーディオ録音/再生機能を備える。スクリーン解像度も,最大320×320画素に向上。また,「カラー・テーマ」機能により,ユーザーがデバイスの見栄えなどをカスタマイズできる。
- 無線:従来のBluetoothに加え,無線LAN「802.11b」をサポートする
なおPalmSource社は,Palm OS 5のベータ版,各種ツール,互換ソフトウエアの入ったCD-ROM「Palm OS 5 Compatibility CD」を,「PalmSource Conference and Expo」に出席した開発者に配布する。また,同社WWWサイトからの配布も予定している。Palm OS 5 Compatibility CDには,Windows NTで動作するPalm OS 5.0のシミュレータ「Palm OS 5 Simulator」やデバッガ「Palm Universal Debugger」なども含まれる。
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