米Microsoftの会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏が米国時間1月7日に,ラスベガスで開催されている2002 International Consumer Electronic Show(CES)の基調講演で,リアルタイム組み込みOS「Windows CE .NET」を発表した。

 Windows CE .NETは,ハンドヘルド,スマートフォン,セットトップ・ボックス,POS機器などの小型/モバイル機器向けのプラットフォーム。「約200Kバイト程度のサイズでOSの機能を実現できる」(Microsoft社)。BluetoothとIEEE 802.11に対応し,「Microsoft Internet Explorer 5.5」「Windows Media 8」「DirectX 8」でマルチメディア/WWWブラウジング機能も動作する。x86/Xscale/ARM/MPS/SH系などのプロセサに対応し,目的に適したハードウエア・アーキテクチャを選べるという。

 またMicrosoft社は同日,Windows CE .NET用ツールを90日間に限り995ドルという販促価格で販売し,Windows CE .NETの「Evaluation Edition」と「Emulation Edition」を無料提供すると発表した。さらに,Windows CE .NET向けの新たなトレーニング・カリキュラムの詳細についても明らかにした。主な内容は次の通り。

・Windows CE .NET Emulation Edition
 Windows CE .NETのエミュレータ。ターゲット・ハードウエアを使わずに,Windows 2000またはWindows XP上でWindows CE .NETベースの設計の構築と試験が可能になる。同社のWWWサイトから無料でダウンロードできる。

・Windows CE .NET Evaluation Edition
 Windows CE .NETの評価版。同社のWWWサイトで同日から注文できる。価格は無料だが,配送手数料が必要。

・Windows CE .NETトレーニング・カリキュラム
 デバイス開発者向けの教育コース。「Introduction to Windows CE .NET」「Developing Embedded Solutions for Windows CE .NET」「Windows CE .NET Driver and OAL Development」という三つのコースを用意する。詳細については同社のWWWサイトに掲載している。

・90日間限定のWindows CE .NET販促価格
 Windows CE .NETとOSイメージ構築ツール「Platform Builder」をセットにして,90日間に限り995ドルで販売する。

 さらにMicrosoft社は,「Microsoft Shared Source License for Windows CE」に基づき,Windows CE .NETのソース・コードの修正と再配布を非商業目的に限り許可するという。

 「Windows CE 3.0では50万行以上ソース・コードを開示していた。それに対しWindows CE .NETでは新たに多くのコンポーネントを開示することで,開示量が3倍になった」(Microsoft社)。開示対象には,Microsoft社のメッセージ・キューイング,USB,Bluetoothやその他無線ネットワーク・ドライバ,SOAPおよびuPNPのプロトコル実装に関するソース・コードが含まれるという。

◎関連記事
米マイクロソフトの次期組み込みOS「Windows CE .NET」がBluetooth認定を取得
米マイクロソフトが車載向け「Windows CE for Automotive 3.5」を発表
Windows XP Embeddedを米MSがリリース,15社以上が対応機器を発売へ
Microsoftの会計年度2001年における「Windows Embedded」事業は180%成長
米Microsoft,Windows CE 3.0のソース・コード開示を開始

[発表資料へ]