米Palm傘下の「Palm OS」事業である米PalmSourceは米国時間6月26日に,Palm OS向けのJavaサポート,新しいWebブラウザ,VPNクライアントで他社と協力し,企業ユーザー向け機能を拡充することを発表した。同社は,米RSA Security社の技術をもとにしたPalm OS 5のセキュリティ技術にWebブラウザ,VPNクライアントを組み合わせることにより,企業のモバイル・ワーカー向けに安全で効率的なソリューションの提供を狙う。

 今回発表されたのは,米Insignia Solutions社,米ACCESS Systems America社,米SafeNet社との協力。機能の拡充により,企業内でITマネージャによるPalm Powered機器(Palm OS搭載機)の配備が容易になるという。

 同社は,Insignia Solutions社とPalm OSプラットフォーム上で動作する標準Javaインタフェースの作成で協力する。Insignia社の「Mobile Foundation for Palm OS」は,同社の「Java Virtual Machine(JVM)」ソフトウエア・エンジンをベースとしており,開発者と消費者,無線,企業市場のユーザーにより強力なJava機能を提供する。

 ACCESS Systems America社とは,先ごろ発表された「Palm OS 5」向けの新しいプロキシを使用しない安全なブラウザの提供で協力する。ACCESS Systems America社は,同社のNetFrontブラウザの中心となる技術を提供し,新しいバージョンの作成でPalmSourc社と協力する。Palm OS 5向けWebブラウザは,リソースに制約があるモバイル製品向けに最適化されており,SSLを介して安全なトランザクションを可能にする。また,最新のW3C仕様,HTML 4.01,XHTML 1.0,dynamic HTML,ECMA Script(JavaScript)などのインターネット標準に対応する。

 SafeNet社とはPalm OS向け「SoftRemotePDA Virtual Private Network」の評価版の作成で協力する。SafeNet社の「SoftRemotePDA」の評価版により,ライセンス取得者は,Palm OS搭載機向けのVPN機能の開発とテストを実施できるようになる。

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