米Palmの子会社PalmSourceのPalm Digital Media部門は電子ブック・オーサリング・ツール「Palm eBook Studio」を米国時間5月21日に発表した。

 個人や企業,出版社,オンライン販売店は,Palm eBook Studioを使ってPalm社の電子ブック閲覧ソフトウエア「Palm Reader」に対応した電子ブックを作成し,配信したり販売することができる。

 ユーザーは一から自分の手で電子ブックを作成するほか,米Microsoft「Word」などのリッチ・テキスト形式に対応したアプリケーションの既存ドキュメントから情報をカット・アンド・ペーストして電子ブックを作成することも可能。Palm eBook StudioはWindowsとMacintoshに対応する。グラフや画像が扱えるほか,フォントや文字サイズも選択できる。

 Palm eBook Studioはすでに出荷を開始しており,Webサイトから購入可能。価格は39ドル95セント。8月19日まで29ドル95セントの特別価格で提供する。

 Palm eBook Studioでは,以下の三つのラインセンス・オプションを用意する。

・標準バージョン:消費者の個人的な利用や小企業の社内報作成など用。作成した電子ブックは暗号化されない。家族,友達,同僚に無償で配布したり,共有することができる。

・「Palm eBook Studio Commerce Pak」:小規模な出版社や企業向けで,2002年6月に利用可能になる。価格は129ドル95セント。暗号化していない電子ブックを社内で配布したり公衆に販売することができる。

・「Palm Retail Encryption Server Software(PRESS)」:出版社とオンライン販売店向けで,2002年6月に利用可能になる。電子ブックを暗号化するための機能を提供する。暗号化した電子ブックは電子商取引サイトで販売することができる。Windows NTサーバーのほか,UnixおよびLinuxサーバーに対応する。

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