米Microsoftが米国時間6月26日に,同社のスマート・ディスプレイ技術「Mira」(開発コード名)の正式ブランド名を,「Microsoft Windows CE for Smart Displays」にすると発表した。さらに同社は,Windows CE for Smart Displaysの最初のバージョンで,英語,フランス語,ドイツ語,日本語に対応することも明らかにした。

 Windows CE for Smart Displaysとは,スマート・ディスプレイ製品の実現を目的とする同社のソフトウエア技術。「Windows XP Professional」と「Windows CE .NET」のリモート・デスクトップ,そして液晶ディスプレイと無線ネットワーク技術を組み合わせることで,取り外して持ち運び可能な無線対応タッチスクリーン・モニターを実現するもの。

 「スマート・ディスプレイにより,家庭内のどの部屋からでもWindowsを利用できるようになり,WWWの閲覧,電子メールの送受信,デジタル画像の編集/表示,音楽が楽しめるようになる」(Microsoft社)

 「1月に開催された2002 CES(Consumer Electronics Show)でWindows CE for Smart Displays(当時の名称はMira)を発表して以来,この技術が大きな反響を呼んでいる。すでに15社以上の大手企業が,さまざまな無線ディスプレイ製品を販売する契約を結んでいる」(Microsoft社組み込みおよびアプリケーション・プラットフォーム・グループ担当ジェネラル・マネージャのTodd Warren氏)

 現在Windows CE for Smart Displays対応スマート・ディスプレイを開発している主な企業は,以下の通り。Microsoft社では「これらの企業は,6インチから15インチの大きさのリモート・モバイル・モニター製品を開発中である」と説明している。台湾AboCom Systems,富士通,米Intel,韓国LG Electronics,米National Semiconductor,NEC,オランダPhilips Consumer Electronics,台湾Tatung,米TriGem Computer,米ViewSonic,台湾Wistron,米Wyse Technology。

 なお,米メディアの報道(CNET News.com)によると,製品の価格はモニターの大きさによって,500ドル~800ドルという。

 Microsoft社は,Windows CE for Smart Displaysの出荷を2002年後半に予定している。また,同技術に対応したスマート・ディスプレイ製品が市場に登場するのは,北米およびアジアで2002年のクリスマス・シーズン,欧州では2003年前半になると見込む。

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