米Microsoftの「Mira」と呼ぶ技術を使ったスマート・ディスプレイ装置を開発中のメーカーが,米Intelのマイクロ・アーキテクチャ「XScale」をベースにしたプロセサを採用する。Intel社が米国時間4月12日に明らかにしたもの。

 Miraとは,スマート・ディスプレイを実現するためのWindows技術に対して付けられたコード名。家庭内のどこからでも「Windows XP」を利用可能にする。Windows XPと「Windows CE .NET」のリモート・デスクトップ,そして無線ネットワーク技術を組み合わせることで,取り外して持ち運び可能な無線対応タッチスクリーン・モニターや,パソコンを使って音楽や写真を楽しめる大画面のデジタル・テレビといったスマート・ディスプレイを実現する。

 Intel社によると,オランダのPhilips Electronicsと米ViewsonicがIntel社のアプリケーション・プロセサ「PXA250」をMira対応製品に取り入れるという。また,台湾のAboCom Systemsや台湾のTatungも,同プロセサを新たな装置に組み込む計画である。Intel社は,これらの製品が2002年のホリデー・シーズンに利用可能になると見込んでいる。

 また,Intel社は参照デザインを開発し,Mira技術を用いたスマート・ディスプレイ装置の開発促進を図る。参照デザインには,同社のフラッシュ・メモリー「StrataFlash」や無線LAN技術などが含まれる。10.4インチ,800×600画素,16ビット・ディスプレイのMira対応製品を想定する。今後は,主に取り外し可能なモニターに向けたプラットフォームを用意する。

 なおMicrosoft社とIntel社は,Microsoft社の「Windows CE .NET」をIntel PXA250のほか「Intel PXA210」に最適化することで協力体制を敷くことを2002年2月に発表している。PDA,スマートフォン,ハンドヘルド・データ端末,Webパッド,Mira対応スマート・ディスプレイなどを視野に入れる。

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