米Palmが米国時間1月28日に,無線電子メール・サービス機能を利用できる新製品「i705」を発表した。
i705は,モノクロ表示ディスプレイのPDAである。筐体(きょうたい)はメタリック・シルバー。米国での価格は,449ドル。今週にも米国の小売店で販売を始める。
i705の最大の特徴は,同社の無線データ・サービス「Palm.Net」を介した電子メール・サービスが利用できること。このサービスは「常時接続のプッシュ型」(Palm社)。最大8個のメール・アカウントを統合でき,メール着信の際にはLED,アラーム,バイブレータで通知する。メールのフィルタリングも高速に行うという。
このサービスの料金は,最大100kバイトのデータ転送が行える「Associate」が月額19.99ドル。データ量無制限の「Executive Unlimited」が月額39.99ドルとなる。こちらは年間契約の料金コースも用意している。その場合の月額料金は34.99ドルとなる。
i705の外形寸法は縦11.8cm×幅7.8cm×厚さ1.5cm。重量は約167g(バッテリ内蔵時)。OSは,Palm OS v4.1を搭載する。「m500」や「m505」と同じく33MHz動作の「Dragonball VZ」プロセサを搭載。主記憶は8Mバイト。4Mバイトのフラッシュ・メモリを搭載する。Secure Digital(SD)カードやMultiMediaCard(MMC)といった外部記憶媒体を差し込める拡張スロットも備える。バッテリは,リチウム・ポリマー・バッテリ。USB対応クレイドルを装備する。
またPalm社は同日,米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)と提携し,i705でAOL社のサービスを提供することも明らかにした。 インスタント・メッセージ・サービス「AOL Instant Messenger(AIM)」をはじめ,「AOL Mail」や,ニュース,道路案内,地域のイベント,エンターテインメント情報といったAOL社のコンテンツをi705のユーザーに提供する。
このほかPalm社は,企業向けのソリューション製品「Palm i705 Wireless Messaging Solution」についても発表した。2月にもFortune 1000の企業各社で試験運用を始め,製品としては利用可能になるのは,今夏と見込んでいる。
Palm i705 Wireless Messaging Solutionは,以下の製品とサービスで構成する。
・i705
・Palm Wireless Messaging Server:ファイアウオールに対応したサーバー
・Enterprise Software Suite,Palm機の設定を行うフトウエアなど
・技術サポート
・企業向けのPalm.Netサービス
◎関連記事
■米アバントゴーがPDA/サーバー間の同期技術に関する米国特許を初取得
■米Palmがエントリ・モデルの新機種「m125」を発表,価格は249ドル
■MicrosoftがPocket PC用ブラウザ「Pocket Internet Explorer」を公開
■Handspringと開発者パートナがVisor向けの無線対応モジュールを披露へ
■「無線サービス市場での成功には早期参入が不可欠」と米IDC
■「2005年には職場ユーザーとテレワーカーの90%が無線接続へ移行」,米企業の調査
■進む米国企業の無線利用,2001年末に従業員の47%が活用へ,小企業では5割突破
■米国のモバイル・ネット市場,7年間で62倍の258億9000万ドル規模に
[www.prnewswire.comに掲載の発表資料1]
[www.prnewswire.comに掲載の発表資料2]
[www.prnewswire.comに掲載の発表資料3]