「無線サービス企業は,無線デバイスからビジネス・プロセスやITシステムにアクセスしようとする企業が増加するのを見越して,早期から市場に参入している」とする調査結果を,米IDCが米国時間1月16日に発表した。今後,コンサルティング,実装,管理サービスなどに対する企業の需要が増大する見通しだ。

 米国および西欧で,サービスを提供する企業と利用する企業の両方を対象に,アンケートを実施したもの。

 「市場はまだ黎明期にあるが,無線サービス企業は早くからノウハウを蓄積し,将来その恩恵を受けたいと考えている。無線ソリューション・サービス市場に早期参入するのは正解だ。緊密な提携関係を築いて優先的プラットフォームの立場を獲得できるからだ。何よりも,顧客にサービスを提供する際に重要な役割を果たす知識を蓄積できる」(IDC,Wireless and ecommerce Implementation Servicesプログラム部門担当ディレクタのSophie Mayo氏)

 無線ソリューションの導入を検討している企業のうち,85%が「目標達成のために無線サービス企業を利用する可能性が高い」と回答した。また調査対象となったすべての企業が「導入には困難が伴うだろう」と予測している。その問題の多くは,自社の目標達成に必要なソフトウエアとサービスを提供する能力のある適切な企業を探し当てることに関連している。大多数の企業は,独立した無線機能ではなく,既存のITシステムやビジネス・プロセスに統合できるソリューションを必要としていることが明らかになった。

 IDCは,無線サービス企業が市場で成功を収めるには,以下の4点を実現するビジネス・モデルの確立が重要だと述べている。

・技術分野における提携関係

・特定業界に特化したノウハウの蓄積

・モバイル・ソリューションの研究施設

・自社独自の技術開発

◎関連記事
進む米国企業の無線利用,2001年末に従業員の47%が活用へ,小企業では5割突破
米国のモバイル・ネット市場,7年間で62倍の258億9000万ドル規模に
2007年の企業向け無線通信システム市場は現在の2倍以上に
「西欧のモバイル・データ・サービス,2006年には売り上げの90%が中小企業から」---。英調査会社
「企業は2004年までに三つの無線ネットワークに対応すべき」と米ガートナー
「無線接続サービス市場は2007年に285億ドル超規模」---。Frost & Sullivanの調査

[発表資料へ]