米Gartnerが米国時間5月7日に,企業向け無線データ・ソリューションに関する調査結果を発表した。2004年における世界の無線データ・ユーザーはほぼ8億人に達するという。

 モバイル機器の種類が多様化するため,企業は従業員が利用するすべてのモバイル機器に対応することが困難になる。2004年にはFortune 2000企業のうち半数以上が,3種類の異なる無線ソリューション(低速の無線データ通信,音声とWWWアクセスに対応した無線通信,高速無線LAN接続)をサポートせざるを得ない状況になるとGartner社は予測する。

 企業経営者が考慮すべき無線ソリューションは,1)低速データ通信および音声通信向けのWAN(wide area network),2)IEEE 802.11準拠のLAN(local area network),3)Bluetoothを代表とするPAN(personal area networks)の3分野である。

 「BluetoothなどのIEEE 802.11に非対応無線技術は大規模企業で利用するには伝送速度が遅く,セキュリティや管理面で問題があるため避けた方がよい」(Gartner社副社長兼調査ディレクタのBob Egan氏)。

 Bluetooth導入の傾向が高まっているが,広範な普及に至るには長い時間を要するとGartner社はみる。当初は携帯電話機とコンピュータといった装置間のファイルやデータ同期化に利用されると予測する。

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