英Analysys Researchが英国時間6月14日に,西欧の企業市場における,モバイル・データ・サービスの売り上げは,2006年までにその90%近くが中小企業(SMEs:small
and medium-sized companies)によってもたらされるようになる,などの分析結果を発表した。

 さらに,モバイル・データ・サービスのほとんどの需要は,これら中小企業のうちのほんの僅かな数の企業によってもたらされるという。

 中小企業をターゲットとすることは困難と考えられがちだが,同社がさまざまな国で,規模や業界の異なる中小企業300社を対象に行った調査では,ある特定のグループが存在することがわかったという。このグループは,すでにモバイル・データ・サービスへのアクセスの準備ができており,現在支払っている無線通信料金に上乗せして,データ・サービスの料金を支払ってもかまわないと考えているという。このグループの中小企業全体に占める割合は10%だという。

 「これら“データ・レディー”の中小企業は,データ・アプリケーションの高速モバイル・アクセスに魅力を感じている一方で,モバイル・ネットワーク技術に関する知識は不足している。とりわけGPRS(General Packet Radio System)の認知度は低い」と同社は分析する。これら中小企業に対して,完全サポート型の統合サービスが提供できること,それが業務効率を高めることが可能なことを知ってもらうことがカギとなる,と同社は指摘している。

 「モバイル・ネットワーク事業者は中小企業のマーケティングに注力する必要がある。多くの事業者が中小企業がカギとなることを認識しているものの,データ・サービスの効果的なブランド化という点についてはまだ対策が不十分」(Analysys社のJulie Robson氏)。

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