米Frost & Sullivanが米国時間3月27日に,広帯域無線サービス市場に関して調査した結果を発表した。

 それによると,無線接続サービス市場は商用サービス実現の段階にまで成熟しており,2007年に285億ドルを超える売り上げを生み出すという。2000年の市場規模は8億4230万ドルである。「固定無線技術は,都市部全体にインターネット接続を行き渡らせることのできる数少ない技術の一つである」(Frost & Sullivan社業界アナリストのMichelle Gao氏)。

 しかし,無線接続ポイントとして利用できるビルの数には限りがある。素早く顧客のターゲットを見極め,質の高い転送チャネルを通じてサービスを提供するサービス・プロバイダが成功をおさめることができる。「戦略に合ったビルの屋上(接続ポイント)を獲得することは,広帯域固定無線事業者にとって非常に重要である」(同氏)。

 地形の問題は他にもある。住宅や中小企業は樹木などの障害物に囲まれている場合が多い。「最近の技術の発達により,ビルや障害物があっても信号を受けることが可能になったと言われている。しかし,こうした技術はまだ実地試験の段階だ」(同氏)。

 広帯域固定無線サービス・プロバイダにとって当面のターゲットは企業市場である。2000年における広帯域固定無線サービスの売上高のうち,99%以上は企業ユーザーによるもの。家庭ユーザー向けのサービスは,今後数年で増えるだろうと見ている。家庭ユーザーによる需要は,広帯域無線技術が成熟した後に急激に上昇するという。

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