米HP(Hewlett-Packard)が米国時間11月14日に,2001年8月~10月期の決算を発表した。売上高は109億ドルで前期の103億ドルと比べて6%増収。前年同期の133億ドルからは18%減少した(為替差損を含まない場合は15%減)。一時的な費用を除いた1株当たり利益は19セント(アナリストのコンセンサスは8セント)で,前期の12セントから増加した。しかし前年同期の41セントと比べると大幅な減益となる。
一時的な費用を除いた場合の当期の粗利率は25.7%。前期の粗利率は26.0%だった。同条件の営業支出は前期比4%減,前年同期比11%減となった。
従業員削減などのリストラ経費2億8200万ドルを含めた場合,GAAP(会計原則)に基づいた希薄化後の1株当たり利益は5セント。前年同期のGAAPに基づいた希薄化後の1株当たり利益は45セントだった。
部門別の業績は以下の通り。
■イメージ処理およびプリンティング・システム
売上高は前期から16%増加したが,前年同期比は9%減(為替差損を含まない場合は7%減)となった。デジタル・カメラやフォト・プリンタ,スキャナなどのイメージ処理関連収入は前期比49%増,前年同期と比べて7%増加した。
■コンピューティング・システム
売上高は前期比1%増,前年同期比31%減(為替差損を含まない場合は28%減)。UNIXサーバーが前期から11%減少,前年同期と比べて30%低下した。企業向けストレージは前期から10%成長したが,前年同期と比べて22%減少した。ハイエンド・アレイは前期比16%増。ソフトウエア収入は前期比7%減,前年同期比12%減。
PCサーバーは前期比11%減,前年同期から44%も落ち込んだ。企業向けデスクトップ・パソコンは前期比11%減,前年同期比39%減。家庭向けパソコンは前期比で23%増加したが,前年同期と比べて37%減少。ノート・パソコンは前期比10%増で,前年同期比12%減となった。
■ITサービス
売上高は前期比2%増,前年同期比5%増(ドル換算で2%増)と成長した。サポート収入が前期比3%増,前年同期比9%増(同6%増)。アウトソーシング収入が前期比4%増で前年同期比22%増(同19%増)。コンサルティング収入は前期から5%減少,前年同期比は2%増(同2%減)となった。
HP社は7月に6000人の従業員削減計画を発表しており,2001年10月31日時点で約4000人の削減を終了している。残りの人員整理に関しては,会計年度2002年の前半に完了する予定いである。HP社はこの従業員削減計画により年間5億ドルの経費節約を目指すとしている。
同社は今後の見通しについても明らかにした。2001年11月~2002年1月期の売上高は2001年8月~10月期と比べて若干減少する見込み。粗利率はほぼ横ばいとみる。
なお,米Compaq Computerとの合併に関してHP社CEOのCarly Fiorina氏は,「Compaq社との取り引きが我が社を将来に導き,株主や顧客,従業員に利益を与える唯一の機会であると確信している。Compaq社との合併は,手続き終了後すぐに大幅な収益増加を生み出すだろう」と述べた。
またHP社は,サーバー機「e3000」の販売を2003年11月1日で終了することを同日明らかにした。e3000向けのサポートは2007年1月1日まで提供する。
◎関連記事
■米HPが7月期決算をさらに大幅下方修正,6000人を追加削減へ,累計で1万人超え
■米HPの2001年2月~4月期の決算,前年同期比で4%減収,66%減
■【速報】米HP,250億ドルで米コンパックを買収
■【速報:HP-Compaq会見】「1+1<2」となる危険大きい――米HPはパソコンから撤退のニュアンス強い
■【TechWeb特約】米HPのCEO Fiorina氏,米コンパック買収に関する報道に“大反論"
<IT業界決算関連>
■米コンパックがQ3決算を発表,33%の減収,純損失は4億9900万ドルで赤字拡大
■米ゲートウェイが2001年Q3決算を発表,純損失は5億2000万ドル
■米アップルが9月期と通年決算,3期連続で黒字だが,通年は2500万ドルの赤字
■米IBMが2001年Q3の決算を発表,6%減収で19%減益,ハードと半導体が足引っ張る
■米デル会長が“絶好調"宣言,10月期決算は事前の予測通り,テロの特需も
[www.hp.comに掲載の発表資料1]
[www.hp.comに掲載の発表資料2]