米IBMが米国時間10月16日に,2001年第3四半期の決算を発表した。売上高は204億ドルで前年同期の217億ドルと比べて6%減。為替差損を含まない場合は同3%減となる。純利益は16億ドルで,前年同期の20億ドルから19%減少した。希薄化後の1株当たり利益は90セントで前年同期の1ドル8セントに比べ17%減となった。

 ハードウエア部門と半導体が不振だった。「第3四半期は顧客の購入行動が基本的に急変した。顧客がソリューションへの予算割り当てを増やしているため,サービス部門『IBM Global Services』やミドルウエア製品が恩恵を受けている。また,ハイエンド・サーバー『zSeries』も好調だ」(IBM社会長兼CEOのLouis V. Gerstner, Jr.氏)。

 第3四半期の売上高を地域別でみた場合,米大陸が91億ドルで前年同期比6%減(為替差損を含まない前年同期比は5%減)。欧州/中東/アフリカは57億ドルで同1%増(同4%増),アジア太平洋地域は41億ドルで同5%減(同5%増)となっている。OEM収入は15億ドルで同28%減(同27%減)だった。

 部門別にみると,メンテナンス事業を含めたGlobal Servicesの売上高は87億ドルで,前年同期と比べて5%増加した(為替差損を含まない前年同期比は9%増)。サービス契約の総額は約970億ドルにのぼる。

 ハードウエア部門は売り上げが同21%(同18%)減少し,75億ドルとなった。メインフレーム「z900」が大きく成長し,ミッドレンジの「iSeries」もすべての地域で伸びをみせたが,「pSeries」の売り上げが減少した。顧客が新製品「Regatta(開発コード名)」のリリースを待って購入を控えたことが要因の一つとしている。なおパソコンの売上高は,市場の低迷と価格競争の影響を受けて大幅に落ち込んでいる。

 ソフトウエア部門の売上高は同10%(同14%)増加して32億ドル。ミドルウエアが収入全体の約80%を占めている。「WebSphere」の売上高は75%増加した。「MQ Series」は100%以上,DB2は31%成長した(米Informixのデータベース事業部門買収による収入は含まない)。

 IBM社の2001年第3四半期における粗利率は36.2%。前年同期は35.4%だった。

 なお,2001年1月~9月の業績は売上高が630億ドルで純利益は54億ドル。ともに前年と比べて横這いである。

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