既設の電話線を利用した家庭内ネットワークの業界団体HomePNA (Home Phoneline Networking Alliance)が米国時間11月12日に,仕様の第3版「HomePNA 3.0」向けのMRD(market requirements document)を133社のメンバー企業に発表した。HomePNA 3.0は,電話回線を利用した家庭内における広帯域エンタテインメントや音声アプリケーションの利用,複数のパソコンによるファイルやインターネット共有の実現を図るもので,100Mビット/秒のデータ伝送速度に対応する。
HomePNA 3.0は,HomePNAの技術委員会が提案を検討した後,仕様の最終版が発表される。最終版がリリースされると,「HomePNA 3.0に準拠したLSIがパソコン,NIC(network interface cards),家庭用ゲートウエイ,広帯域接続用モデム,プリンタ,マルチメディア・デバイス,インターネット端末,セットトップ・ボックスなどのほか,テレビ,DVD,DVRといった民生用電子機器に組み込まれるようになる」(HomePNA)。
HomePNA 3.0ではデータ伝送速度を「HomePNA 2.0」の10Mビット/秒から大幅に引き上げつつ,電話回線を共有するビデオ,オーディオ,音声のQoSは維持したという。
HomePNA 3.0はPOTS,ISDN,xDSLに対応する予定である。また,HomePNA 1.0と2.0と下位互換性を持つ。HomePNAが同日発表したプロトコル「Voice-over-HomePNA(VoHPNA)」もサポートする。VoHPNAはHomePNA 2.0を拡張したもので,同時に8件の高性能音声データ送信を可能にする。
HomePNA 3.0の最終版は2002年第4四半期にリリースする予定である。
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[www.businesswire.comに掲載の発表資料2]