電源線利用の家庭内ネットワークの標準化を進める業界団体HomePlug Powerline Alliance(HPA)が米国時間6月26日に,仕様の第1版となる「HomePlug 1.0」をリリースしたことを明らかにした。

 電源線を介した家庭内ネットワークでは,既設のコンセントに電源プラグを差し込むだけでLANを構築できる。部屋に一つは設置されているコンセントを利用できるので,他の方式と異なり配線の手間が要らない。コストも低く,インストールや接続も容易という利点がある。データ転送速度は14Mビット/秒。HomePlug準拠の製品は,2001年秋に登場の予定である。

 なおHPAは,2001年2月より世界各地の500世帯を対象にした実地試験を行っていた。試験地域は米国とカナダ。

 HPAは,低コストで互換性を持つ家庭内電源線ネットワーク製品の導入促進を目的として,米3Com,米Cisco Systems,米Intelなどが2000年4月に設立した業界団体。参加企業は現在90社となっている。

 なお米Cahners In-Statは2001年5月に,「電源線利用の家庭内ネットワークが急成長する。米国における家庭内ネットワーク向けICの売上高は2005年末まで年平均77%成長し,電源線トランシーバICが売上高と出荷数ともに最も大きな伸びをみせる」との調査結果を発表している。

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