既設の電話線を利用した家庭内ネットワークの業界団体HomePNA (Home Phoneline Networking Alliance)が米国時間4月9日に,仕様「HomePNA」に関し,国際電気通信連合の電子通信標準化部門(ITU-T:International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)から正式に承認を受けたことを明らかにした。

 「コンソーシアムのゴールは提案する技術が国際標準としての承認を受けること。HomePNAはついにこのゴールに到達した」(ITU-TのQ.4/15 Network Access System記者,Richard Stuart氏)。

 ITU-TのStudy Group 15が,HomePNAに向けた勧告「Recommendation G.989.1(Phoneline Networking Transceivers- Foundation)」を策定した。HomePNA対応のNICや広帯域接続用モデム,ゲートウエイ,LSIなどは,この「G.989.1」に準拠する必要がある。

 HomePNAは家庭内に既設の電話線を使い,伝送速度10Mビット/秒でネットワークを構築する。米Lucent Technlogyと米Broadcom傘下のEpigram社の技術をベースとしている。

 HomePNAは1998年6月に米3Com,米Agere Systems,米Advanced Micro Devices(AMD),米AT&T Wireless Services,米Broadcom,米Compaq Computer,米Conexant,米Hewlett-Packard,米Intel,米Motorola,米Tut Systemsの11社が創設
メンバーとして設立した。参加企業は現在150社となっている。

 米DataComm Researchは,「Ethernetは今後も小企業市場で主流のネットワーク・ソリューションとして拡大するが,家庭向けとしてはEthernetよりもHomePNAや電源線を使ったネットワークなど既設の配線を用いたソリューションの利用が広まる」とする調査結果を報告している。

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