「電子商取引(eコマース)およびモバイル・コマース(mコマース)が,消費者の行動習慣を変えることはない」(オハイオ州立大学マーケティング学教授のRoger D. Blackwell氏)。米NCRが米国時間9月13日に,同氏が行う基調講演の内容について明らかにしたもの。同氏は,NCR社の一部門Teradataが後援する「15th PARTNERS」カンファレンスにおける10月15日の基調講演を行う予定である。

 Blackwell氏によれば,「mコマースのような21世紀の新しい概念は,顧客と企業および小売店の関係に“改革を起こす”のでなく“発展させる”」のだという。

 Teradata社最高マーケティング責任者のRuth Fornell氏は,「顧客サービスとCRM(customer relationship management)全体の向上を図り,技術の論理的利用を把握することが,市場でシェアを獲得するための基礎となる。しかし,厳しい予算の中で効率の悪い技術を導入してしまうと悲惨な結果になる。さらに,技術を通信チャネルとしてではなくマーケティング・チャネルとして利用したなら,企業に数百万ドルものコストがのしかかることになる」と述べている。

 「ビジネスにおける最も重要な教訓は,技術を技術だけのために導入してはならないということだ。最新の技術でも消費者の生活を快適にしないのならば,成功にはならない」(Blackwell氏)。

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