米Cahners In-Stat Groupが米国時間9月10日に,携帯電話機を利用したモバイル電子商取引(mコマース)に関する調査結果を発表した。利用者数の多さに加え第3世代(3G)標準規格が統一されているという利点から,欧州がmコマース・サービスの最大市場になるという。

 日本が僅差で2位市場となり,1人当たりのmコマース・サービス利用は欧州のそれを上まわる。

 「導入の遅れと貧弱さにより,消費者の3Gへの関心が薄れている。しかし,長期的な見通しは明るい。第2世代(2G)と3Gを合わせたmコマース市場は2005年末まで大きく成長する」(In-Stat社アナリストのKen Hyers氏)。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・3G通信事業者にとってmコマースは数十億ドルの収入源となるが,3Gライセンス取得や3Gネットワーク構築にかかった費用と,高度なサービスを展開するためのコストをよく比較検討する必要がある。

・情報サービスとエンターテインメントを融合した「インフォテインメント(infotainment)」は,3G通信事業者と販売事業者に巨額のmコマース収入をもたらす。3G通信事業者のmコマース収入全体のうち,70%~95%をインフォテインメントが占めるようになる。

・中国やその他のアジア市場が台頭する。

・米大陸はネットワーク標準規格が統一されていないため,3Gサービスの利用が進まず,3G対応のmコマースの普及は2005年以降にズレ込む。

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