米American Management Systems(AMS)が米国時間5月21日に,欧州の無線WWW市場における今後の展望について調査した結果を発表した。欧州のモバイル・サービス・プロバイダ38社を対象に,各社の能力,計画,モバイル電子商取引(mコマース)の課題などについてアンケートを実施したもの。

 「米国のモバイル事業者が次世代無線サービスの準備にあたって参考にすべき重要な事柄を提示している」(AMS社)。

 主な調査結果は以下の通り。

・mコマースの価値を決定するのは,技術ではなく顧客である。技術も重要とはいえ,mコマースの成功は顧客1人ひとりのニーズを把握できるかどうかにかかっている。

・mコマース・サービス開発において鍵となるのは顧客情報である。にも関わらず,手元にあるぼう大な顧客データをビジネスの意思決定に活用しているモバイル・サービス・プロバイダは,全体の半数にも満たない。

・顧客の需要やし好に合わせ,また地理的環境に応じてカスタマイズしたモバイル・サービスを提供するべきである。

・半数以上のプロバイダが従量制の価格モデルを採用している。しかし次世代モバイル・サービスでは,顧客が必要とするサービス・レベルに対応したサービスの価値に応じた価格モデルを導入する必要がある。

・mコマースの最大の障害は,市場そのものの制約である。mコマースの成功が「収益性の高いビジネス・モデルおよび市場機会の欠如,そして高額のライセンス料」によって妨げられると懸念するプロバイダは60%以上だった。「限られた投資額,投資回収期間の長さ,投資回収率の低さ」と答えたプロバイダは45%。

・第3世代(3G)システムにおける実際の通信速度は期待に及ばないだろうとする回答者は70%以上。60%以上が,次世代携帯電話機の品質や発売時期に懸念を抱いている。

・プロバイダの約2/3以上が,「mコマース開始における最大の技術的課題は運用サポート・システムと顧客サポート・チャネルの統合」と回答した。

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