米通信大手のSprintとCDMAソリューション・プロバイダの米AirPrimeは米国時間8月2日,米Handspringの携帯情報端末「Visor」に実装するCDMAモジュールを提供することを明らかにした。製品名は「Sprint PCS Wireless Web Digital Link」。9月初旬に出荷を始める。Visorの拡張スロット「Springborad」に組み込むことで,無線インターネット接続や携帯電話機能が利用可能となる(写真)。

 Digital Linkの重量は約96.4g。通話可能時間は約7時間で,待ち受け時間は300時間。データ転送速度は最大144kビット/秒である。Sprint PCS社は2002年半ばまでに,すべてのネットワークのCDMAへの移行を完了する予定である。

 Visor向けの携帯電話モジュールとしては,Handspring社が2000年12月よりGSM携帯電話機能「VisorPhone」を提供している。CDMAモジュールの提供はSprint社が初めてとなる。なお,CDMA技術に関しては,Handspring社は2000年8月に米QUALCOMMからCDMAのライセンス供与を受けることで契約を結んでいる(関連記事)。

 なおSprint社は,2002年にCDMAベースの無線高速データ通信事業に対し,7億ドルから8億ドルの資金を投じる計画であるという。2003年後半までにデータ転送速度を最大2.4Mビット/秒に,さらに2004年初めには同3Mビット/秒から5Mビット/秒に引き上げる計画である。

 Visorに関しては,コンサルティング企業の米Netpaceが最近,「VisorはVisorPhoneを投入して消費者を引き付け,シェアは拡大傾向にあったがここへきて減速している」とする調査結果を発表している。

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