米GartnerのDataquestが英国時間7月9日に,2001年第2四半期における西欧のPDA(Personal Digital Assistant)市場に関する調査結果を発表した。2000年のPDA出荷台数は210万台を突破し,成長率は123%に達した。しかし2001年第2四半期は前年同期比で7.1%増にとどまった。
ベンダー別のシェアでは,米Palmが前年同期に比べ41.9%と大きく落ち込んだものの,かろうじて首位を維持した。「Palm社は2001年第1四半期に経験した在庫と製品移行の問題をまだ引きずっている」(Dataquest社)。
米Compaq Computerは企業市場に注力するという戦略を明確にしており,それが功を奏し劇的な成長を遂げた。英Psionはシェアは大幅に落ち込んだものの3位にとどまった。同社は消費者向けPDAからの撤退を発表している。
表 西洋におけるPDA出荷台数(2001年第2四半期)
ベンダー | 2001年Q2 | 2000年Q2 | ||
出荷台数 | シェア(%) | 出荷台数 | シェア(%) | |
Palm | 164,029 | 32.3 | 282,117 | 59.5 |
Compaq | 153,112 | 30.2 | 21,100 | 4.5 |
Psion | 49,925 | 9.8 | 86,000 | 18.2 |
Handspring | 41,656 | 8.2 | 20,000 | 4.2 |
Hewlett-Packard | 33,135 | 6.5 | 37,381 | 7.9 |
カシオ計算機 | 19,855 | 3.9 | 4,400 | 0.9 |
IBM | 8,157 | 1.6 | 7,130 | 1.5 |
その他 | 37,550 | 7.4 | 15,700 | 3.3 |
合計 | 507,419 | 100.0 | 473,828 | 100.0 |
OS別のシェアでは,米Microsoftの成長率が226%と最も高い。しかしこれには前年同期の出荷台数が非常に少なかったことが背景がある。Palm社の落ち込みは,米Handspring製品やソニーの市場参入などで補われた。なお,Palm社は米国時間7月24日に,英ARM,米Intel,米Motorola,米Texas Instrumentsといった半導体ベンダーとの提携を発表しており,これが「Palm社の新たなビジネス・チャンスを開く」(同社)という。
表2 西洋におけるOS別PDAの出荷台数(2001年第2四半期)
OS | 2001年Q2 | 2000年Q2 | ||
出荷台数 | シェア(%) | 出荷台数 | シェア(%) | |
Palm OS | 214,842 | 42.3 | 310,097 | 65.4 |
Windows CE | 207,402 | 40.9 | 63,581 | 13.4 |
Epoc | 50,725 | 10.0 | 86,480 | 18.3 |
その他 | 34,450 | 6.8 | 13,670 | 2.9 |
合計 | 507,419 | 100.0 | 473,828 | 100.0 |
出典: Gartner Dataquest (2001年7月)
出荷台数を国別で見ると,英国が11万6000台でトップである。これは西欧全体のPDA出荷台数の22.7%にあたる。これに続くのがドイツの10万9000台,フランスの9万2000台である。
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