米Allied Business Intelligence (ABI)が米国時間4月10日に,通信業界に関して調査した結果を発表した。

 2000年における第2世代(2G)および第3世代(3G)携帯電話機と携帯電話機向けLSIの売上高は,高く掲げた目標には届かなかった。しかし長期的にみた場合,携帯電話事業は健全に成長するという。2006年末には携帯電話機の販売台数が8億台を上まわるとみる。今のところ,3G携帯電話機の登場やインフラ整備が遅れているが,今後5年間で市場は堅固なものとなる。

 IPテレフォニ装置の通信事業者向け販売が延期されているが,音声とIPベース・ネットワークの融合が需要を支え,IPテレフォニ装置市場は5年間で90億ドル規模に成長する。また,VoDSL装置の販売も遅れ気味だが市場は存続する。競争的地域通信事業者(CLEC)よりも既存通信事業者向けの販売が好調になるとみる。通信事業者向けゲートウエイの売上高は,今後5年で3億ドル以上,統合アクセス装置(IAD:Integrated Access Device)は10億ドルに達する。

 無線アクセス分野では,LMDSコミュニティの低迷にもかかわらず,2.5Ghz,3.5GHz,2.4GHz帯向けの装置を手がけているメーカーは,実際には業績を上げている。また,ポイント・ツー・マルチポイント(1対多数)の次世代製品の出荷が始まれば,LMDS分野に回復の兆しが現れる。

 無線LANは,2001年にはずみがつく。無線接続への需要が高まり,2000年における「802.11b」対応装置の出荷は4倍増加した。今年は少なくとも2倍の伸びをみせるだろう。

 デジタル・セットトップ・ボックス(STB)は大幅に成長しており,衛星とケーブル事業者はともに世界規模でデジタル通信への移行を進めている。2000年におけるSTBの販売台数は2600万台だったが,2001年には少なくとも3600万台,2005年には9400万台に達する。

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