フィンランドのNokiaが現地時間3月15日に,2001年第1四半期の業績について,1株当たり利益が事前の予測通り0.19ユーロ(約0.17ドル)となる見通しを明らかにした。

 ただし,売上高は事前の予測を下回り,前年同期比20%増程度となる見通しであるという。Nokia社は2000年12月に開催したアナリスト向け年次総会で,2001年の売上高成長率について「25%~30%」との見通しを発表していた([関連記事])。

 また,2001年通年の携帯電話市場についても,4億5000万台~5億台規模と見通しを引き下げたことも明らかにした。12月の段階では,世界の携帯電話ユーザーの10億人達成を,当初の2002年末から2002年前半に繰り上げるなど,強気の見通しを立てていた([関連記事])。

 第1四半期の業績を事業部門別にみると,通信ネットワーク事業部門のNokia Networks社が前年同期比30%~35%増,携帯電話事業部門Nokia Mobile Phone社が同15~20%となる。

 「需要の落ち込みが予想以上に進んでいる。特に米国市場でここ数週間にわたって景気の先行き不透明感が強まり,深刻化している」(Nokia社)

 「携帯電話機市場における当社のシェアは2000年に32%だった。2001年にかけて市場環境は悪化しているが,当社のシェアは昨年の規模を上回る勢いで拡大している」(Nokia社)

 なお,正式な決算発表は4月20日を予定している。

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