米Strategy Analyticsは米国時間3月13日に,世界の携帯電話機市場に関する調査結果を「Worldwide Cellular Shipment Forecasts (2001-2006) 」にまとめて発表した。携帯電話機の出荷台数は,今後5年間に年平均17%増のペースで伸びるという。北米と西欧では買い替え需要が成長の主な要因となる。

 2001年の出荷台数は5億台で,2006年には10億台に達する。「現在景気は低迷しているが,わが社は今後の携帯電話機の出荷台数を楽観的に予測している。2000年の業績は好調で2億人の新規ユーザーが生まれたが,無線業界は急成長の段階にやっと入ったばかりである。世界的な普及率はまだ11%にすぎない」(Strategy Analytics社Global Wireless Practice副社長のDavid Kerr氏)。

 2000年の携帯電話市場に影響を及ぼした重要な要素として,Strategy Analytics社は以下の3項目を指摘している。

(1)深刻な部品不足がいくつかのメーカーの業績に影響を与えた。
(2)第2.5世代(2.5G)携帯電話機の市場投入が引き続き遅れて,携帯電話業界はまたしてもネットワーク業者を失望させた。
(3)4億5000万台の出荷台数合計を見込んだ携帯電話機の買い替えサイクルの予測は,誇張だったことが判明した。WAP対応の魅力的なアプリケーションが欠けていたこと,GPRS携帯電話機が登場しなかったことが原因の1つである。

 「2000年はフィンランドのNokiaが市場をリードしてシェアの拡大を続けた。また,同社の携帯電話機であげる利幅は競合他社の5倍~6倍という数字を維持した。スウェーデンのEricssonと米Motorolaは少なくとも大衆市場向けという点では,いずれも競争から撤退。シェア争いはドイツのSiemens,韓国のSamsung,三菱電機,フランスのAlcatelに移った」(Strategy Analytics社)。

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