いまや、企業システム基盤を刷新しようとする際に、「クラウド抜き」で検討する企業はほとんどないだろう。きちんと計画・設計すれば、システムの柔軟性や管理性を高め、コスト削減効果も大きい。リクルートが構築したプライベートクラウドでは、運用コストを5分の1に削減できたという。

 その半面、開発スタイルが変わり、開発者やシステム部門に求められるスキル・役割が変わりつつある、という問題もある。これは、システムの計画から設計・開発、運用、ITマネジメント全般にまで影響を及ぼすはずだ。クラウドの利用で確かな成果を得るために、パブリック/プライベートクラウドのポイントを押さえておこう。

リクルート、クラウド基盤構築の軌跡

 リクルートは、50超の商用Webサイト群の実行基盤となるプライベートクラウドを構築した。運用・保守コストの削減を目標に掲げ、結果的に想定を上回るコスト削減を達成した。3年余りを投じたクラウド基盤構築の軌跡を追った。

運用コストを従来の5分の1に

実行基盤の製品・技術を選定

挑戦をいとわない「技術者集団」

「御社」「お世話様」は禁句

「停止ゼロ」で移行に成功

プライベートクラウド構築指南

 プライベートクラウドを構築する上での成功の秘訣が見えてきた。それは「作らない」というもの。これまでの常識は忘れて、最大限の効果を生み出すプライベートクラウドの構築術を紹介する。

成功の秘訣は「作らないこと」

[メニュー]1パターン用意すれば事足りる

[ワークフロー]妥当性は「対話」で判断

[運用自動化]自動化する項目を峻別

[製品・サービス]既製品を活用する

ここから始めるパブリッククラウド

 必要なときに必要なだけのリソースを使用できる点がパブリッククラウドの特徴だが、提供される環境にはさまざまな「制約」がある。ポイントを押さえた、SaaS/PaaSの使い方を紹介する。

パブリッククラウドとPaaS/SaaS

SaaS利用のポイント

PaaS利用のポイント

SaaSの違いを隠す「ファサード」を作る